電気電子情報工学科

明日の地球につながる技術

パワーエレクトロニックシステム研究室(平瀬祐子 准教授)

主な研究テーマとその内容

①系統の安定性に貢献する新しい機能を持つ、電力変換装置の制御手法
②上位統括制御を用いない自律分散形マイクログリッド(小規模系統)制御
③系統連系要求や各種法制約が系統に与える影響の考察およびその対応策
④過渡応答制御、発電制御、最適需要制御など、各種制御手法の分担方式

電気エネルギーは、他の種類のエネルギー(運動エネルギー、位置エネルギー、熱エネルギーなど)では難しい、「創る」「貯める」「運ぶ」「使う」の全てを比較的容易に実現できますが、そのためには、電気の形態(交流(AC)と直流(DC)、電圧、周波数など)を場所に応じて高速かつ精密に変換することが重要です。この電力変換を行うキーテクノロジーが「パワーエレクトロニクス」技術です。パワー半導体デバイスをはじめDC / DCコンバータやDC / ACインバータといった電力変換装置の回路および制御技術が飛躍的に発展したことで既に産業システムでは広く用いられ、電力システムにおいても高電圧直流送電、無効電力補償装置および再生可能エネルギー電源の系統連系に用いられています。

本研究室では、これらの電力変換のための様々な古典的トポロジについて学習すると共に、既存技術に留まらない革新的な回路トポロジおよび制御方式の研究を行います。さらに、電力変換装置と、それに付随するリアクトルやキャパシタ等の受動部品で構成されるフィルタ回路が、二次電池やキャパシタのような電力貯蔵デバイス、接続負荷、再生可能エネルギー電源などの他のコンポーネントと各種回転機とで相互作用するシステム全体(パワーエレクトロニックシステム)に焦点を当て、そのようなシステムの実用的な設計を行います。

研究室に配属されると、Matlab、PSIM、PSCAD等の数値解析ツールを利用し、システムのモデリングやシミュレーション設計から開始します。次に、マイクロコントローラ、DSP(Digital Signal Processor) 、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などに、電動機(モータ)の駆動装置、単相や三相の系統用電力変換装置、無停電電源装置などのコントローラを構築します。この後、これらコントローラを使って実際に装置を動かし、それまでの設計妥当性を評価します。

この研究室を希望する方へ

研究室の研究内容の適用分野は、電気エネルギーを発電所から利用する場所まで運ぶ「系統の配電・送電システム」、化石燃料と電気で推進機能を使い分ける「ハイブリッド移動体システム(船舶、鉄道、自動車)」、工場の自家発電装置を使った「産業用モータ駆動システム」をはじめ、さらに広範囲の応用が考えられます。これらの枠にとらわれない積極的な好奇心を期待します。

また、シミュレーションから実機検証に至るためには、研究にじっくり打ち込む必要があるため、是非、大学院への進学も視野に含めて欲しいと思います。

先輩が後輩を指導し、互いに知恵を出し合って協力することで、研究室というチームでの成果を得ることができます。これは社会人になっても期待される重要なポイントで、本研究室でもその習慣を身に着けていただきたいと考えます。