理工学部の教育方針(ポリシー)
各学科の3つのポリシー(2025年度入学生用)
掲載内容は変更する場合があります。(2024年7月1日現在)
機械工学科
アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)
機械工学科では、創立者井上円了博士の「諸学の基礎は哲学にあり」の思想を根幹とし、学習意欲のある者に高度の教養・学力を授け、社会に貢献できる全人的な人材を育成することを目的としています。
本学科が求める学生は、本学の教育理念を理解し、先入観にとらわれない柔軟性のある思考力とたゆまぬ向学心の持ち主でなければなりません。学習を通して、広い知識と創造性を育み、自ら考え行動する学生を求めています。
機械工学では専門科目を修得する上で数学・理科(特に物理)が、基礎学力として重要です。また、語学力は現代人にとって必要不可欠な能力です。従って、入試では数学・理科・英語の3科目を入試選択科目として筆記試験による選抜を行います。さらに、そのような筆記試験の成績のみで選抜を行うのではなく、向学心の高い優秀な学生を受け入れるために、附属校、指定校、それに学校推薦の制度も利用します。これらの推薦制度による入学生には、学習面で学科学生の模範となる優秀な人材を求めます。そのため、数学および物理を履修し大学教育を受ける下地ができていることを条件とします。
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)
本学科は、社会に貢献できる有能な機械技術者の育成を実現するために以下の方針でカリキュラムを編成しています。
- 機械工学の基礎となる「数学」、「物理学」、「化学」、「情報技術」などの科目を習得し、それらを機械工学の基礎・専門分野に応用できる能力を育成します。
- 機械工学の基幹分野である「材料力学」、「熱力学」、「流体力学」、「機械力学」、「計測工学」、「制御工学」に関する知識を重点的に身につけ、応用的に展開できる能力を育成します。
- 実験・設計製図・卒業研究などを通じて、ものづくりに必要な解析や総合に関する実践的な能力を育成します。
- 自らの考えを的確に表現・発表・記述し、効率的な討議を行って考えを正しく相手に伝えるコミュニケーション能力を育成します。
- 社会の環境・安全に深い理解を持ち、相手の立場・考え方を尊重しつつ自分の考えを展開できる倫理観と責任感をもった人材を育成します。
ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)
以下の能力を備えた学生に学位を授与します。
(知識・理解)
- 理工学基礎科目を理解した上で、機械工学の基幹分野である「材料力学」、「熱力学」、「流体力学」、「機械力学」、「計測工学」、「制御工学」に関する知識を重点的に身につけている。
(思考・判断)
- 技術的な問題に対して、機械工学の観点から分析し、その解決策を検討・考察することができる。
(技能・表現)
- 実験や機械設計(製図を含む)に関する基礎的な技能を有し、また技術文書の作成・技術プレゼンテーションを通じて自らの考えを的確に表現・発表できる。
(態度)
- 社会の環境・安全に深い理解を持ち、相手の立場・考え方を尊重しつつ自分の考えを展開できる倫理観と責任感を身に着けている。
電気電子情報工学科
アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)
入学を志願する人に対し、各種選抜試験を実施し、その結果、下記の要件を満たすと判断した人に入学を許可します。
- 「電気工学(エネルギー・制御)」、「電子工学(エレクトロニクス)」および「情報通信工学」分野などの技術革新の著しい先端技術分野に関心があり、将来技術者として製品開発や製造に携わることを希望する。
- 高等学校で履修する科目について、それら内容を理解し高等学校卒業相当の知識を有している。
- 入学後の修学に必要な基礎学力としての数学および英語の知識を有している。
- 未知なる物に対して好奇心を持ち、自ら積極的に学ぶ強い意欲がある。
- 将来の目標が明確であり、その目標達成に対して努力を怠らない。
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)
将来の技術革新に柔軟に対応できる次世代を担う先導的な技術者を育成するため、以下の3点を教育目標・実施の基本方針としています。
- 基礎学力の重視
- 実験・実習・演習により育まれる実践力の養成
- ハードとソフトの技術力の涵養
教育目標・実施の基本方針に基づき、下記のように教育を施します。
【1年次】
- 基盤教育科目、理工系共通科目を通じて、数学、物理学、情報処理および英語の科目を中心に、基礎を固める。
- 基幹科目「電気回路Ⅰ」、「コンピュータプログラミングⅠ」を必修専門科目として修得させる。
- 「電気電子情報工学通論Ⅰ」を配し、専門科目を修学していくための動機付けを行う。
【2年次】
- 1年次に引き続いて、基幹科目「電磁気学Ⅰ」、「電子回路Ⅰ」を必修専門科目として修得させ、さらに、これらを理解するために「応用解析学」を配する(いずれの科目も2クラスに分けてきめ細かく指導する)。
- 「電気電子情報実験Ⅰ」を配し、技術革新に柔軟に対応できる技術力の基礎を身につけさせる。
- 将来の進路希望に応じて、「電気工学(エネルギー・制御)」、「電子工学(エレクトロニクス)」および「情報通信工学」分野を「3つの柱」とし、それらに関して体系的かつ系統的学修ができる科目を配し、専門的基礎力の十分な修得を重視する。
【3年次】
- 必修科目「電気電子情報実験Ⅱ、Ⅲ」を配し、将来必要となる専門的な技術力を身につけさせる。
- 上述の「3つの柱」に関してさらに専門性の高い科目を多く配し、技術革新に柔軟に対応できる技術者を育成する。
【4年次】
- 上述の「3つの柱」に応じた研究室に配属し、「卒業研究」を行う。
- これまで学んできたことの集大成として卒業論文を作成する。また、卒業研究発表を通してより高度な専門知識と、自分の考えを文章および口頭によって的確に伝える能力を身につけさせる。
ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)
下記の要件を備えた学生に学位を授与します。
【知識・理解】(1) 技術者として必要な理数系学力、語学力、情報処理能力、および、関連する教養を習得している。
【知識・理解】(2) 電気・電子・情報通信工学に関わる基礎学力および技術英語を習得している。
【知識・理解】(3) 電気、電子、情報通信のうち、1つ以上の分野の専門知識を習得している。
【思考・判断】(4) 電気エネルギー・制御、エレクトロニクス、あるいは情報通信に関わる問題に対して、理工学的にその解決に取り組める。
【技能・表現】(5) 電気・電子・情報通信工学を実践するための基礎的な技能を身につけている。また、技術文書の作成とプレゼンテーションを通じて自らの考えを表現できる。
【関心・意欲・態度】(6) 理工学の意義と重要性を理解し、ものづくりに対する意欲および技術者倫理を持つ。
応用化学科
アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)
高度に情報化されたグローバル社会では、物事の本質を見極めるための考える力「哲学」を持つことが不可欠です。応用化学科では、これからの理工系人財に求められる教養と語学、および化学の学修を通じて、本質的なものの見方・考え方を身につけた、人間性豊かな人財を育成し、科学技術を活用して社会に貢献する研究者・技術者・教育者の輩出を目指しています。この実現のため、以下の基準を満たす入学者を受け入れています。
【知識・理解】
- 大学での理工学基礎科目、基盤科目および専門科目の学修を進めるために必要な最低限の基礎学力を有する。
【思考・判断】
- 物事をうのみにせず、自らの目で見て確かめ、考え、判断することの重要性を大学での学修を通じて理解し、体得できる論理的思考力を有する。
【関心・意欲・態度】
- 化学に深い興味と関心を有し、その知識と技術を身につける意欲を有する。
- 大学で学ぶことにより教養を高め、他者理解に根ざした人間関係構築に意欲があり、社会性の涵養に積極的であること。
【技能・表現】
- 高いレベルで物事に打ち込んだ経験があり、それを異なる分野にも生かす視点を持つこと。
- 幅広い学修を通じて本質的なものの見方・考え方を身につけ、社会に貢献しようとする高い目的意識を有する。
入学者の選抜にあたっては、公平であること、透明性が高いこと、学科の教育目標を実現できる優秀な入学者をもれなく選抜できることを目標としています。これらの目標の実現のために、面接による推薦入試と選抜試験による一般入試を複数の方式で行っています。
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)
豊かな教養と優れた人間性をはぐくみ、本質的なものの見方・考え方を身につけること、課題を見出し、解決につなげる力を修得すること、および他者と協働して事にあたれるコミュニケーション力を修得することを目指して、以下の方針に則り教育課程を編成・実施します。
【知識・理解】
- 基盤科目・理工学基礎科目の履修において、学科指定クラスおよび推奨科目を設定し、専門科目の学修の前提となる知識・理解を得られるように、履修プランを作成し提示する。
- 学科専門科目群は、基幹科目、基礎科目、および応用的専門科目に分類して編成した。基幹科目は2クラス制で必修とし、再履修クラスを置くことで確実な理解に導く。基礎科目は、将来の幅広い進路に必要となる科目群を置き、化学の基礎知識を得られるよう配慮した。応用的専門科目群では、SDGsに貢献する応用化学の幅広さを認識させ、将来の進路を意識しつつ選択科目として履修できるようにした。加えて、基幹科目、基礎科目の履修内容の理解が、どのように専門的分野および実社会につながるのかを理解させられるよう科目を配置した。
【思考・判断】
- 化学を中心に、自然科学系の科目を基礎から専門に至り系統的に学ぶことにより、観察・思考・結論へと導く論理性および事実を見極める判断力を身につける。特に実験科目においては、実験事実に忠実に、結果を記録し、解析することの重要性を学べるよう各学年各学期に配置する。
【関心・意欲・態度】
- 卒業研究に取り組むことにより、報告・連絡・相談の機会を与え、さらに教員、先輩、同級生等、共同研究者との連携・協力を経験させることで、グローバルな課題に他者と協働して対応できるコミュニケーション力と問題解決力を修得する。
【技能・表現】
- 各学年各学期に実験科目を配置し、以下を身につけられるよう指導する。①実験準備・段取り・実践・後片付けに至り、器具や試薬を安全に扱い、処理できる技能を身につける。②実験室で周囲の状況を判断し、他者と協力して物事にあたれるようになる。③実験報告書の作成と提出を義務づけ、論理展開のある文章を書けるようになる。
- 実験報告書の添削、指導に加えて、レポート作成方法を指導する科目を開講し、文章作成法の基礎を学ぶことで、報告書によるコミュニケーション能力を育成する。
- 学部教育の集大成として卒業研究に取り組み、卒業論文としてまとめる。研究活動を通じて、化学の基礎を実践的に学びなおし、応用力を涵養する。
ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)
東洋大学の建学の精神「諸学の基礎は哲学にあり」、「独立自活」、「知徳健全」を実践するために、下記の要件を満たすものに学位を授与します。
【知識・理解】
- 講義と演習・実習を通して、幅広い教養と自然科学および工学の基礎学力を持ち、その基盤に立って化学の専門知識を身につけている。
【思考・判断】
- 卒業研究において、自身の学力・知識・技術を特定の課題へと応用できる。
- 特定の課題に対し、論理的な思考に基づいて取り組むことができる。
【関心・意欲・態度】
- 高い見識と人間性を持ち、コミュニケーション力と問題解決力を身につけ、科学技術で社会課題に対応しようとする意欲を持っている。
【技能・表現】
- 化学物質を法令遵守して安全に取り扱うことができ、基礎的な実験技術を身につけている。
- 卒業研究において、成果を適切に発表できる。
都市環境デザイン学科
アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)
下記の能力を備えた受験生を各種選抜試験を通して入学させます。
- 入学後の修学に必要な基礎学力としての知識を有している。高等学校で履修する数学、理科、外国語、国語などについて、内容を理解し、高等学校卒業相当の知識を有している。
- 物事を多面的かつ論理的に考察することができる。
- 自分の考えを的確に表現し、伝えることができる。
- 都市構造物の設計・維持管理、環境、防災、都市経営などに関わる諸問題に深い関心を持ち、社会に積極的に貢献する意欲がある。
- 積極的に他者と関わり、対話を通して相互理解に努めようとする態度を有している。
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)
時代背景や産業構造の変化とともに、土木系大学教育のコアは変化してきました。従来からの中心科目である構造力学、水理学、土質力学や計画学に加えて、環境、景観、生態系の科目と、企画、管理に関する科目も重視されてきました。本学科では、これらの変化に対応し、教授法も工夫することで、独自のカリキュラムを構築しています。
- 将来の進路選択に合わせた3つのコースを用意しています。水、土、廃棄物といった都市環境の基本要素を中心として環境と都市内人工物に関する知識を学ぶ「都市環境コース」、都市内の人工物の材料や、設計、メンテナンスに関する知識を学ぶ「都市創造コース」、さらに、まちづくりの要素である地域行政、地域文化、国際建設マネジメントを学ぶ「都市経営コース」です。
- 各コースには、実験・実習・演習科目を充実させた体験学習による基礎力とその応用力を修得できる内容が含まれ、原理を問うことと実際問題への適用の双方について学びます。
ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)
下記の能力を備えた学生に学位を授与します。
【関心・意欲・態度】
- 社会基盤のあり方に対する深い倫理観を持ち、周囲と協働しつつ、建設技術を学んだ者としての責任を持った行動を取ることができる。
【知識・理解】
- 環境、防災、経営などの建設技術者としての基礎知識と工学的なセンス、マネジメント能力や計画立案能力を身に付けている。
- 語学、情報処理などの将来必要となる能力を身に付けている。
【思考・判断】
- 都市システムの持続的な発展に向けて、論理的な思考に基づいて課題に取り組み、その解決策を検討・考察することができる。
【技能・表現】
- 社会基盤の整備に必要な実験や測量などに関する基礎的な技能を有する。
- 技術文書の作成・技術プレゼンテーションを通じて、自分の考えを的確に表現・発表することができる。
建築学科
アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)
建築分野は建物やまちを対象とし、社会、経済、生活、技術、芸術、環境など扱う分野は広範でありながら、様々なことがらが密接に関係しあっています。建物・まちを企画・デザイン・マネジメントするためには、それらの利用者、住民、行政、建築家、技術者、総合建設業者、専門工事業者、建材・製品製造業者、職人・技能者など多種多様な人々が多数関わっています。この「ひと」との関わりの中で、衣・食・住に直接関わる建物・まちを「ひと」のために創るというすばらしさとよろこびを共に学び、様々な立場で建物・まちをプロデュースする「ひと」を育てるのが建築学科です。建築学科では専門科目を講義、実験実習、設計製図演習、卒業研究を通じて建築学を広範に学びます。そして、建築学科ではそこで必要となる3つの心を持った学生を求めています。
- 自立心:
- 学生自身が建築を学ぶテーマや対象を自ら「選び」、「調べる」、社会、地域と自ら「関わる」、作品を自ら「創る」、論文を自ら「書く」という自主性。
- 向学心:
- 過去・現在から学び、そして未来を思考しながら、既知の知識、技術から新たな知見、技術を求める向上性。
- 協調心:
- 学内外での活動、グループワークなどで他者の価値観、考えを尊重しながら自身の考えを主張、行動する社会性。
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)
広範な建築学を「計画・意匠」「まちづくり」「構造・材料」「環境・設備」「生産・マネジメント」の5専門分野に体系化し、卒業関連科目(卒業研究、卒業論文、卒業設計)以外の全専門科目を一級建築士・二級建築士・木造建築士受験の指定科目として編成しています。
- 「計画・意匠」「まちづくり」「構造・材料」「環境・設備」「生産・マネジメント」の5専門分野を横断的につなげる設計製図演習、建築基礎科目である建築構造学、建築環境・設備学を基幹科目(必修科目)に据え、4年一貫建築教育を実施します。
- 時代・社会の変化、地域性、国際化、生活の多様化など建築を取り巻く諸状況に対して、幅広い視点から取り組む設計製図演習、5分野にそれぞれに配置した設計演習を実施して建築・まちの企画、デザイン、マネジメント能力を総合的に養います。
- 多くのフィールドワークの実践により社会規範を身につけ、他者と協調しながら課題をまとめ上げる能力を養います。
- 自身の研究論文、設計作品を学内外で発表する機会を多く設けることで、豊かなプレゼンテーション能力を養います。
- 建築専門分野の職能で必須となる一級建築士、二級建築士、木造建築士の受験資格に対応した専門科目をバランス良く配置するとともに、施工管理技士、インテリアプランナーなどの資格取得に向けた基礎専門科目を建築学科共通科目として1年次から開講します。また、卒業後の資格取得に向けたセミナー等を行います。
ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)
以下の能力を備えた学生に学位を授与します。
- 建築・まちを企画、デザイン、マネジメントするために基礎となる、「計画・意匠」「まちづくり」「構造・材料」「環境・設備」「生産・マネジメント」に関する教養、技能、専門知識を習得している。
- ひと、社会、地球環境に対して幅広い視点から建築・まちを捉え、自身の研究論文、建築設計作品などの成果物をまとめ上げる能力、確かなプレゼンテーション能力を身につけている。
- コミュニケーション能力や倫理観を養い、社会に貢献し、多くの人のために尽くす心構えを身につけている。