東洋大学 TOYO COMPASS 2024 TOYO UNIVERSITY REPORT

Education Business Report

自己の哲学を持ち、
未来を切り拓く力を備えた人材を育成

14学部49学科・専攻を有する総合大学である東洋大学は、教育理念である「諸学の基礎は哲学にあり」を原点に、変化の激しい時代の中で「哲学」によるものの見方・考え方を育てる教育を行ってきました。専門的かつ横断的に学べる環境を整え、物事の本質を理解し未来を切り拓く力を持った人材の養成を目指します。

01

学生・教員の研究成果が高い評価を獲得
社会の発展に貢献する

樺澤一真さん(右)/研究指導をした責任著者の草間裕介准教授(左)

樺澤一真さん(右)/研究指導をした責任著者の草間裕介准教授(左)

東洋大学の学生・教員は、学会で賞を授与されるなど、学外から高い評価を得ています。理工学研究科・電気電子情報専攻博士前期課程の樺澤一真さんは、電子情報通信学会通信ソサイエティ部門の国際会議・ICETC2023においてポスター発表を行い、Student Presentation Award (Poster)を受賞しました。回折公式として知られているキルヒホッフ-ホイヘンスの式を開口からの電磁波の回折問題に適用し、FDTD法と比較して高速に計算できることを明らかにした点が認められました。また、2023年6月には、情報連携学部の坂村健教授率いるプロジェクトチームが開発した「TRONリアルタイムOSファミリー」が、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)からIEEEマイルストーンとして認定を取得。このOSは、IoT環境が一般化した時代を見据え、組込みシステムの効率的な開発環境を確立するために1984年からつくられたもので、現在も広く使われています。当時は珍しいオープンイノベーション型のプロジェクトとして研究が進められ、社会や産業の発展に大きく貢献したことが評価されました。

2023年度の受賞・表彰

掲載日 タイトル
2024.03.27 【受賞・表彰】森本翔太さん(都市環境デザイン学科):優秀発表賞(日本災害情報学会第28回学会大会) 
2024.03.22 【受賞・表彰】経営学部大堀ゼミの清水さんが『 計測自動制御学会 システム・情報部門 第34回社会システム部会研究会』にて学生賞を受賞 
2024.03.06 国際学部小山田萌佳さんが第4回学生地域づくり・交流大賞で「アグベンチャーラボ賞」を受賞 
2024.03.02 【受賞・表彰】2023年度井上円了賞が授与されました(情報連携学部 坂村 健教授) 
2024.02.29 【受賞・表彰】理工学研究科 人見杏実さんが計測自動制御学会(SICE)から優秀学生賞を授与されました 
2024.02.29 【受賞・表彰】理工学研究科 伴一輝さんが「オープンCAEシンポジウム2023」学生表彰受賞 
2024.02.14 【受賞】青森県りんご対策協議会が主催するオリジナルアップルパイコンテストにて大学賞を受賞しました 
2024.02.14 【受賞・表彰】機能システム専攻の大木治宇さん(横田研究室)が2023年度計測自動制御学会システムインテグレーション部門若手奨励賞を受賞 
2024.02.07 メディアコミュニケーション学科・薗部靖史教授が、2つの学会賞を受賞しました 
2024.01.23 【受賞・表彰】応用化学専攻の人見杏実さん(結晶工学研究室)が第52回結晶成長国内会議(JCCG-52)で学生ポスター賞を受賞 
2024.01.22 【受賞・表彰】理工学部の洪政延さん(高岩研究室)が日本建築学会大会学術講演会で『若手優秀発表賞』を受賞 
2024.01.17 国際学部・沼尾波子教授が岩手県令和5年度行政経営功労者表彰を受彰しました 
2023.12.22 電気電子情報専攻の樺澤一真さん(草間研究室)が国際会議・ICETC2023で『Student Presentation Award (Poster) 』を受賞 
2023.12.19 健康スポーツ科学研究科栄養科学専攻の大学院生が「第21回日本機能性食品医用学会」にて最優秀演題賞等を受賞しました 
2023.12.07 情報連携学部の学部4年生(当時)の共著論文が「辻井重男セキュリティ論文賞」の特別賞を受賞しました 
2023.12.06 社会心理学科・山田一成教授の編著書『ウェブ調査の基礎:実例で考える設計と管理』 が日本社会心理学会賞出版賞を受賞 
2023.11.29 TRAN XUAN ANHさん(Khan研究室所属)が第20回 IEEE TOWERSでIEEE TOWERS WIE Best Awardを受賞しました 
2023.11.27 応用化学専攻の濱邊亮さん(井坂研究室)が、第59回日本水処理生物学会で『ベストプレゼンテーション賞』を受賞 
2023.11.11 ライフデザイン学研究科人間環境デザイン専攻の大学院生がライフサポート学会の論文賞を受賞しました 
2023.11.07 電気電子情報専攻・博士前期課程2年の松井文也さんが電気学会論文奨励賞を受賞 
2023.10.31 文学部日本文学文化学科の学生が第17回全日本学生・ジュニア短歌大会で文部科学大臣賞を受賞 
2023.10.31 【受賞・表彰】Rania Elsadig Ahmed さんが、廃棄物資源循環学会の優秀ポスター賞を受賞しました。 
2023.10.27 情報連携学部・坂村健教授率いるプロジェクトチーム:TRONリアルタイムOSファミリーがIEEEマイルストーンとして認定―ブロンズ銘板が授与されました 
2023.10.19 【受賞・表彰】千田 陸 さんが日本食品分析学会の最優秀ポスター発表賞を受賞しました 
2023.10.19 【受賞・表彰】赤羽根健生さんが日本作物学会の優秀発表賞を受賞 
2023.10.18 【受賞・表彰】理工学研究科の人見杏実さんが、計測自動制御学会中部支部シンポジウムのポスターセッションで「優秀発表賞」を受賞 
2023.10.16 令和5年度産業標準化事業表彰者を発表・総合情報学部尾崎晴男教授が経済産業大臣表彰を受賞しました 
2023.08.25 【受賞・表彰】小嶋大喜さん(伊藤政博研究室)が日本農芸化学会関東支部2023年度大会で優秀発表賞(若手ポスター発表部門)を受賞しました 
2023.05.19 中西善信准教授の著書『公共調達の組織論 : 正統性とアカウンタビリティの罠』が経営行動科学学会優秀研究賞(著書部門)を受賞しました 
2023.05.08 電気電子情報専攻・田丸英駿さんが電気学会の電子回路研究会で「技術委員会奨励賞」を受賞 
2023.04.07 機械工学科4年生の田尾多駿人さんが学術研究会にて優秀発表賞を受賞しました 
02

大学院博士後期課程の学生を支援し
イノベーションの未来を担う
多様な人材を育成

2023年の3・4期生採用式・研究報告会では矢口学長からエールが送られた

2023年の3・4期生採用式・研究報告会では矢口学長からエールが送られた

東洋大学は国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「次世代研究者挑戦的研究プログラム」(SPRING)に採択されており、次世代の研究者養成に注力しています。このプログラムは、博士後期課程の学生が研究に専念できる環境を整備し、日本の科学技術の発展に寄与する卓越した博士人材の輩出を目指す事業です。選抜された博士後期課程学生に対する生活費相当額および研究費の支給や、キャリア開発・育成コンテンツの提供を始めとする多様な支援を行います。本学では2021年から2023年の3年間で「人間の安全保障分野における研究成果の社会実装支援プロジェクト」が実施され、15名の博士後期課程の学生を採用し支援を行ってきました。また、2024年度からは「健康と人間の安全保障のための哲学を持つ多様な挑戦的研究者育成プロジェクト」が新たに採択され、さらなる博士人材の多様なキャリアパスの整備を行います。具体的には、トランスファラブルスキル(移転、応用可能なスキル)の醸成や、卓越した研究者によるメンタリング、インターンシップの強化を行い、アカデミアでの活躍ばかりでなく、行政や民間を含めた幅広い領域で活躍を推進。引き続き日本の科学技術・イノベーションに貢献できる人材の育成を行っていきます。

03

産学協同プロジェクトを通して
大学での学びを社会で実践

湯津上小学校、佐良土小学校、蛭田小学校(大田原市)3校の児童と交流

湯津上小学校、佐良土小学校、蛭田小学校(大田原市)3校の児童と交流

「新春」をテーマにした伊勢丹新宿店ショーウィンドウディスプレイ

「新春」をテーマにした伊勢丹新宿店ショーウィンドウディスプレイ

授業などで身に着けた知識を実践的にアウトプットする場として、地域や企業と連携した産学協同プロジェクトを実施しています。2023年度は、経営学部の蜂巣ゼミと食環境科学部の露久保研究室が栃木県大田原市の小学校3校の閉校・統合にあたり、大田原市役所と連携したイベント「想い出給食」を実施。クラウドファンディングやイベントでのフード販売を通じて資金を集め、給食に使用する食材を調達し、学校に寄附しました。それだけでなく、パンフレットやWEBサイトの制作や当日のイベント運営などにも携わりました。また、人間環境デザイン学科の学生は、株式会社スタジオアルタ・株式会社丹青ディスプレイと共同で伊勢丹新宿店のショーウィンドウディスプレイの装飾に挑戦。ディスプレイの意義や効果を学ぶと共に、デザインや材料調達、制作を行いました。他にも、ライフデザイン学部(2023年度より福祉社会デザイン学部)の学生がお雑煮専門店「銀座もちふじ」のロゴデザインを制作するなど、クリエイティブな活動が広がっています。

04

学内英会話講座無償化や
多様な奨学金制度を用意
多文化共生グローバル人材を育成

マンツーマンレッスンを含む多彩な講座で語学力向上を目指す

マンツーマンレッスンを含む多彩な講座で語学力向上を目指す

世界に目を向け、見聞を広げ実践した“旅する哲学者”である創立者井上円了の姿勢を継承し、東洋大学では世界で学び、世界に学ぶための支援が充実しています。2024年4月からは株式会社ECCと連携した学内英会話講座を無償で開講。少人数制グループレッスンやマンツーマンレッスンを毎日開講しており、英語力向上の一助となります。また、留学希望の学生を支援するため、最大300万円を支給する多様な奨学金制度を用意。語学研修やインターンシップなど、自身の希望するレベルに合わせて海外留学にチャレンジできます。さらに、文部科学省の「大学の世界展開力強化事業」に採択された「ビジネス日本語教育を通じた高度日本語人材と多文化共生グローバル人材の育成プログラム」も展開しています。海外連携大学の日本語専攻と連携し、国際的な課題解決に貢献できる学生や、多文化共生のために協働できるグローバル人材の育成に取り組みます。

05

「主活力」を身に着ける
キャリア支援と就職支援により
希望するキャリアパスを実現

就職・キャリア支援課に設置されているWeb面接用の個室ブース

就職・キャリア支援課に設置されているWeb面接用の個室ブース

東洋大学では、学生自身が主体的に考えて行動できる力「主活力」の向上を軸に、キャリア支援・就職支援を行っています。企業の皆さまからのアンケートでは、「東洋大学の卒業生が有していると思う能力」のトップ1が主体性でした。主活力を培うために、様々なプログラムを実施しています。その1つが、全学部の1年生を対象として、デジタル技術やビジネススキルを学び、DX人材を目指すオンライン講座「東洋大学キャリア・オナーズプログラム」。ビジネスプランを立案し企業から評価を受ける中で、自身の強みや課題を自覚し、自らをアップデートし続ける力を養成します。本プログラムを受講後、自ら起業をする学生も増加しています。また、人気企業や各業界のリーディングカンパニーへの就職を目指して、早期より対策を始める「UP講座」など、様々な施策を展開。時代の変化に柔軟に対応しうる知性や徳性を備え、キャリア実現のために学生が“自走”できる力を身に着けられるよう、サポートを続けていきます。

06

教員同士で優れた取り組みを共有
知見を深め教育の質向上を目指す

2023年度は12組・24名に「東洋大学優秀教育活動賞」が授与された

2023年度は12組・24名に「東洋大学優秀教育活動賞」が授与された

学生により良い教育を提供するため、大きな教育効果を与えた活動を企画・実施した教員に対して、「東洋大学優秀教育活動賞」を毎年授与しています。優れた取り組みを全学に普及させるため、2017年度から始まりました。また、「学長フォーラム」では、各学部・研究科の教育の質向上を目的とした様々なテーマを設定し、ディスカッションを実施。2023年度は「150周年を見据えた東洋大学の未来」と題して新たな中期計画(2024~2028年度)の方針を示し、さらに発展させるための議論を行いました。国際化の推進や、学部・研究科における中長期計画の実施状況について、議論を通して共有を深めます。その他、数理・データサイエンス・AIに関する授業を全学生が学ぶ体制の整備や、学生自身が獲得した学修成果を把握できるシステムの開発など、学生一人ひとりの成長を保証するための教育の質向上を目指した取り組みを進めています。