健康栄養学科

人と社会の健康を担う、管理栄養士のちから。

2023年2月の第37回管理栄養士国家試験では、受験希望者85名が受験し、75名が合格(合格率88.2%)。管理栄養士としての能力を育むとともに、社会における実践力、自然科学と人文科学分野の基礎的知識を養います。さまざまな視点から食と健康について理解を深める学びにより、さまざまな分野で健康栄養科学の側面からリーダーシップを発揮しうる人財を目指します。

学問の魅力

栄養学と生命科学、哲学の融合

すべての学びに通ずる「哲学する姿勢」と生命科学分野の幅広い知識を基盤に、管理栄養士に必要な基礎的知識を獲得。専門的知識と基礎的研究能力、グローバルな視野、そして変化に対応する実践力をもって、さまざまな分野で社会に貢献できる能力を獲得します。科学的根拠に基づく栄養学(Evidence-based Nutrition)を基盤に人々の健康維持・増進に取り組む管理栄養士は、社会において普遍的に求められる存在です。本学科では所定科目の単位修得により、卒業と同時に管理栄養士国家試験の受験資格を得ることができます。

学び方

学内外での学びによる知識とスキルの統合

急速に少子高齢化が進む日本においては、食と健康にまつわる新たな問題が次々と出現しています。食品流通や食文化は大きく変化しており、グローバルな視点から栄養問題を捉えることも重要です。こうした現状から、管理栄養士には広く社会を捉え、その専門的知識と技術をもって実践的に指導する力が欠かせません。そこで本学科では、キャンパスの内外で展開する総合的・学際的・実践的な学習と経験の積み重ねにより、これからの社会において管理栄養士に求められる能力を養うとともに、人々の健康を支え、リードする力を身につけていきます。
授業では生命科学をベースに、生物学的な視点から人体の構造や食べものと健康の関わりなどについて広く学びます。さらに基礎栄養学、応用栄養学、栄養教育論、臨床栄養学、公衆栄養学、給食経営管理論など関連分野の講義や実験・実習を通して、専門的な知識と技術を修得。また管理栄養士の実業務に触れる機会として数週間にわたる病院、福祉施設等での学外実習を行い、知識と技術(スキル)を統合します。

次世代社会に貢献する「食環境科学」の多様性

次世代社会の実現に、食に関するあらゆる分野を網羅的に扱う「食環境科学」の領域から貢献できる人財を目指して、多様な学びを展開します。食環境学に関わるさまざまな先端的知識・技術を扱う学部共通科目「食環境科学総合演習(f-STEAM)」は、最も特徴的な科目の一つです。f(食環境科学領域における)-S(Science)、T(Technology)、E(Engineering)、A(Art)、M(Mathematics)の5分野について複合的なスキルを身につけると同時に、栄養との関わりについて理解します。ほか、急速に進展しているデジタル化に対応する「データサイエンス概論」、他大学や外部研究機関、企業等の専門家による講義などを行う生命科学部との共通科目「未来共創概論」を設置しています。

より高度な研究領域への進路も

病院などの実務にあたる管理栄養士としての進路に加え、栄養に関する公務員職や食品企業など多方面の業種で資格と専門性を活かし、東洋大学大学院食環境科学研究科へ進学し、研究者を目指すことも可能です。健康栄養学科では、大講座制の研究体制により、一教員が一研究室を主幹しているため、教員から直接指導を受けることができます。研究の対象を「傷病者」「健常者」「食べ物」の3つとし、「いのちと食」を研究する朝霞キャンパスでは、ヒトの健康を管理栄養士の立場から考える研究を行っています。

グローバル化への対応

学内連携を基点にした国際的な教育・研究拠点

本学科と同じく朝霞キャンパスに展開する生命科学部や、健康スポーツ科学部、ライフイノベーション研究所、工業技術研究所などとの学内連携をはじめ、学際的な分野において世界水準の研究力の獲得、国内外の産官学連携による研究の活性化を進め、国際的な教育・研究拠点への発展を目指します。

キャンパス内留学 Toyo Achieve English 英会話講座

会話を中心にキャンパス内で学べる英会話講座を実施。授業の空き時間を有効に使いながら毎日学べる最大4名での少人数制グループレッスンと、自分のレベルや希望にあった授業を受講できるマンツーマンのレッスンです。

東洋大学ならではの多様な海外研修

本学では、夏季、春季休暇期間中には多様な短期海外研修が開催されており、各自の目的に合ったプログラムを選んで参加し、本学部の基盤科目として単位認定を受けることができます。また、半年や一年など中期・長期の留学プログラムも充実しています。詳細は、国際教育センターのページをご覧ください。

英語特別教育科目 LEAP (Learning English for Academic Purposes)

海外留学を希望する学生を主な対象とし、留学に必要な英語力を習得することやIELTSのスコアアップを目標とした全学共通の英語特別教育科目です。英語教授法が専門の英語話者による指導のもと、Listening/Speaking、Reading/Writingの開講クラス(単位認定科目として開講)で、それぞれの焦点に合わせて学べます。また、春季、夏季休暇期間中にはTOEFL iBT®対策講座やEnglish Campも開かれています。

食環境科学部主催TGLレクチャー・シリーズ

Toyo Global Leader(TGL)養成プログラムの一環として、各学期に数回、学内外から様々な分野で活躍する講師を招聘して特別講義(TGLレクチャー)を開催しています。グローバル産業である「食」に携わる高度専門職業人になるには、多言語環境(特に日英バイリンガル環境)でのコミュニケーション力が欠かせません。そこで、本講義は使用言語を英語・日本語とすることで、多言語環境でのコミュニケーション力の効率的な向上を目指します。なお、参加者には、Toyo Global(TG)ポイント1点が付与されます。

その他国際人に必要な教養や高度な英語力を養う授業

本学部では、基盤教育科目に「English for Liberal Arts」、「英語ビジネス実務」、「文化間コミュニケーション」、「欧米の文学と文化」等の科目を設け、高度な英語力とその基盤となる異文化理解力の涵養にも力を入れています。

4年間の学び

生命科学と栄養学を学び、管理栄養士を目指す

本学科での学びは3つの段階に分けられ、管理栄養士を目指して効率的に学習を進めることができます。
まず生命科学を基礎とした「専門基礎科目分野」を学ぶ段階、次に栄養に関する各分野の専門的知識とスキルを修得する「専門科目分野」を学ぶ段階、そして管理栄養士としての専門性を高める段階へと発展。データサイエンスを駆使しつつ、個性や心理といった人間としての本質を理解できる管理栄養士を目指します。所定の要件を満たすことで、卒業時に管理栄養士国家試験の受験資格が得られます。
また興味関心に応じて学べる選択科目として、最新バイオテクノロジーの実践的知識を学ぶ科目や、スポーツと栄養の関連について学ぶ科目などを導入。専門分野を中心に、より広い分野での学びを展開することで、知識とスキルを発揮できる可能性が広がります。

学びの取り組み

ニーズが高まる「食と栄養の専門家」へ

食と栄養に関する専門的な知識と技術を持つ管理栄養士が担う役割は、急速に高齢化が進む社会において、さらに大きなものとなっています。さまざまな分野でニーズが高まっており、活躍の場は、市民の健康づくり、子どもへの食育、高齢者の介護、アスリートの栄養管理、傷病者の疾病治療、機能性食品の開発など多彩です。
総合大学に設置された本学科では、専門分野だけにとどまらない学際的な学びが可能であり、管理栄養士をはじめとする「食と栄養の専門家」を目指すことができます。また「生物・化学に興味があり、バイオテクノロジーの先端技術を活用して食品の栄養科学を探求したい」「食料・資源・環境・健康に関心がある」など、関連領域も含めて、それぞれの志向に応じて活躍したいという希望に応えます。

食品・流通業界で活用できる専門性の幅を広げる

管理栄養士のおもな職場として、病院、福祉施設、学校(栄養教諭)、食関連企業、保健所などが挙げられます。医療、介護、福祉、教育、行政の立場から、傷病者、乳幼児、児童・生徒、企業の従業員、施設の高齢者、地域住民の健康を、食の面からサポートします。
本学科では高度な分析機器を用いた分析スキルとともに、食品表示を正しく理解するための知識を修得します。卒業後は関連施設での業務をはじめ、広く食品の製造・流通業界で活躍できる管理栄養士を目指すことができます。

個人の能力に合わせた学習支援

各専門科目の授業をしっかり理解するためには、入学後のできるだけ早い段階から学習効率のよい予習・復習の方法を身につける必要があります。管理栄養士国家試験の合格に向け、総合大学として培ってきた効率的な学習支援プログラムを活用し、一人ひとりのレベルに合わせた学習支援を行います。

第7期生管理栄養士国家試験75名合格(合格率88.2%)

2023年2月に実施された第37回管理栄養士国家試験を本学科の受験希望者85名が受験し、75名が合格しました(合格率88.2%)。なお、これまでも第36回94.3%、第35回91.4%、第34回95.7%と、高い合格率を達成しています。

その他の授業紹介:食環境科学部国際人育成プログラム、教職等についてはこちら