健康栄養学科の専門科目の一つである公衆栄養学では「食事バランスガイド」を扱います。「食事バランスガイド」とは、日本人の食生活指針として政府が公表しているデータをもとに、1日に何をどれだけ食べたらいいかをイラストで表現したフードガイドです。海外でも各国独自のフードガイドがあり、例えばアメリカでは、ピラミッド型のフードガイドが近年改訂され、現在では、1枚の皿の上に1日に必要な摂取量を表現した形となっています。その他にも円グラフや扇形等、各国でその形はさまざまです。日本版のフードガイドは逆さにしたコマをイメージし、コマの回る様子は運動を指し、コマが回転することで安定し、逆に食事のバランスが悪くなると倒れてしまうことを表現しています。その大きな特徴の一つは、海外の多くは食材単位なのに対し、料理単位で表現している点です。コマの上から順に主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品/果物と並んでいますが、例えば主食であれば「ごはん(中盛り)だったら4杯程度」などと、料理名かつ日常的な表現で必要な量を分かりやすく表現しています。また、料理を1SV(=サービング、食事の提供量の単位)という統一した単位で数えるのも特徴的です。ぜひ皆さんも「食事バランスガイド」を活用し、普段何気なく食べている食事の中で主菜、副菜は何だろうと常に意識し、自分の食生活を見つめ直してみましょう。
高橋 東生教授食環境科学部 健康栄養学科
- 専門:公衆栄養学分野
- ※掲載内容は、取材当時のものです