生命科学科

生命は、謎に満ちている。

分子神経生物学研究室(児島伸彦 教授)

脳内シナプスの発生と可塑性を司る分子の研究

培養21日目のマウス海馬神経細胞の免疫染色像です。
シナプス前部はシナプシン抗体で緑に、シナプス後部はドレブリン抗体で赤に染まっています。

脳には一千億個以上もの神経細胞がお互いにシナプスを介して連絡し複雑な神経回路を形成している。ひとつの神経細胞には数千から数万個ものシナプスが存在すると言われているので、脳全体に存在するシナプスの数は実に数百兆から一千兆個に及ぶ。シナプスの発達は遺伝的要因と環境要因の両方で決まるが、一度できあがったシナプス結合も外界からの刺激によって付け加わったり消失したりダイナミックに変動することが最近のイメージング技術の進歩でわかってきている。シナプス内部にはアクチン細胞骨格が豊富にあり、シナプスの発達や形の変化においてアクチン細胞骨格が鍵を握ると考えられているが、アクチン細胞骨格のはたらきを調節するしくみはまだ十分明らかになっていない。本研究室では、シナプスの発達や形の変化におけるアクチン細胞骨格の役割を分子、細胞、個体レベルで解明することを目指している。

この研究室を希望する方へ

脳内のシナプス結合の可変性は電気回路とは異なる脳の柔らかい構造の基盤となっている。したがって、この動作原理を解明することは脳に特徴的な“可塑性”という性質を理解する上で大切であるが、未だ定説の確立には至っていない。したがって、これまでの常識を覆す新発見の余地が多く残されているので、当研究室の入室希望者には、既成の概念にとらわれない自由な発想とチャレンジ精神を持って研究に取り組んで欲しい。