生命科学科

いのちのしくみと、いのちを育む環境を科学する

さまざまな生物が見せる生命現象について理解を深め、その原理としくみの解明に挑みます。生命科学についての幅広い専門知識と高い倫理観を身につけ、人々の健康と医療、あるいは自然環境や生物多様性などに関するグローバルな課題に取り組み、社会と地球環境の持続的な発展に貢献できる人財を育成します。

学問の魅力

生命への理解を深め、社会と環境の課題に向き合う

生命科学の対象は、分子や遺伝子レベルから、細胞、生物の個体、集団・社会、そして多様な生物が影響し合う地球環境にまで及びます。その成果は医学、農学、工学など複数の学問分野に応用されるほか、食料危機や環境破壊、資源枯渇、感染症など、社会あるいは地球規模で生じているさまざまな課題の解決にも役立てられます。本学科での学びは、生命科学の幅広い応用分野の基盤となるものです。

学び方

2つのコースで最先端の生命科学を学ぶ

いのちのあり方を探る生命科学の基盤として、哲学を学び、高い倫理観を養います。その上で科学の基礎的知識と実験手法を身につけ、専門領域に応じた2つのコースで学習を進めます。「生命機能コース」では動物個体や細胞の構造・生理について学び、それらを応用する知識や技術を修得します。
「環境科学コース」では、生物多様性と地球環境の持続可能な開発についての理論と実践を学びます。生命機能と環境科学を同時に学べるカリキュラムは大きな特徴であり、さらに生物資源学科と生体医工学科の専門科目のほか、大学院開講科目の一部も学ぶことができます。

2年時秋学期から展開する2つのコース

生命機能コース……内分泌学、脳神経科学、分子神経生物学、動物細胞工学、発生生物学、ナノテクノロジーなど、生命機能に関するさまざまな領域を扱います。マクロからミクロにまで至る、生命機能の維持機構や解析方法についての知識とスキルを身につけます。専門領域に関する職業として、医療(胚培養士)、医薬品系(製薬、化粧品、医用質量分析等)、食品系(食品開発、食品製造、品質管理等)などが挙げられます。
環境科学コース……フィールド生態学、環境健康科学、環境保健情報学、環境工学、細胞分子毒性学など、環境に関する幅広い領域を扱います。生物群集(社会)から細胞レベルまで、環境が生物に与える影響について、理論と実践を通じて学びます。生物の多様性と地球環境の持続可能な開発に関する知識と応用を身につけられるため、専門領域に関する職業として環境系(水質浄化、環境アセスメント、環境保全等)、食品系(食品開発、食品製造、品質管理等)、化学系(製薬、農薬、分析等)などが挙げられます。

学内外との連携により学びを発展させる

学部内での連携・共同研究や、他学部・企業等との連携により、自らの興味関心に合った学びをさらに発展させることが可能です。また次世代の生命科学における課題を解決する力を養うため、発想を具体化するイノベーション力、持続可能性の実現に向けICTを駆使する力、英語によるコミュニケーション力を磨きます。

グローバル化への対応

地球環境と人類社会の諸問題を対象に

地球環境の維持と人類社会の持続的発展という、グローバルな課題の解決に貢献するための学びを展開。さらに人工知能(AI)やIoTをはじめとするICTを活用するスキル、国際的な視野とコミュニケーション能力をもって多様な人々と協働するスキルを養います。

4年間の学び

生命機能と環境科学を同時に学ぶ

哲学と生命倫理を学ぶことで高い倫理観を養い、2つの専門コースで各領域の専門知識を体系的に学びます。生命の根本的な原理についての学びを深め、その成果を生命・健康・環境影響・生物多様性など、生物と社会、地球環境に関わる諸問題の解決に応用できる能力を身につけます。
生命科学部全学科の教員による「先進科学創成論」、外部の大学・研究機関より講師を招聘し幅広い知識を得るための「未来共創概論」では、各分野における先端的な研究に触れることができます。また本学科の専門科目では各専門分野の基礎となる「細胞生物学」「動物生理学」「微生物学」「環境科学」「生態学」について扱うほか、生命科学の応用的な知識を獲得するため、生物資源学科、生体医工学科の専門基礎科目も学修することができます。

学びの取り組み

地球規模での課題とリンクする学び

多様な生物がみせる生命現象についての学びと、生命現象の巧妙なしくみを追求し応用することで、SDGs(Sustainable Development Goals 持続可能な開発目標)のような国際的な目標を見据えつつ、地球環境の維持と人類社会の持続的発展に貢献できる能力を身につけます。

命と健康を支え、少子高齢化に対応するための学び

社会の少子高齢化が進み、加齢に伴う脳や筋肉等の身体機能の低下や、出産年齢の上昇に伴う医学的な課題への対応が求められています。生命の根本的原理の理解をもとにした病態の解析と、新規治療法・予防法の開発による課題の解決に向け、本学科では生命科学と医療をつなぎ、人の命と健康に貢献するための学びを進めます。生命誕生に携わる「胚培養士」を目指す学習が可能な点も特徴です。

生命と環境の相互関係を理解し、生命科学を応用する

人類と環境との関係は双方向的なものであり、人類が環境に与える影響が大きい場合には、環境破壊を引き起こす原因になります。しかし、その一方で環境、資源、エネルギー、食料といった地球規模の問題解決に向けては、生命科学的な知見に基づいた、環境に対する積極的なアプローチが求められています。生物の多様性、あるいは地球環境の持続可能な開発に関する知識と技術を、発展的に応用する力を養います。