小説『Wuthering Heights(嵐が丘)』の作者であるエミリー・ブロンテは、イギリスのヨークシャーで生まれ、人生の大半をヨークシャー北部のハワースで過ごしました。エミリーには、4人の姉妹と1人の兄がいました。父親のパトリックは牧師で、母親は幼い頃に亡くなったため、姉妹たちは伯母に育てられました。
姉妹が最初に出版した詩集はあまり売れませんでしたが、1847年に姉のシャーロットが出版した小説『ジェイン・エア』はベストセラーとなりました。
続いて、エミリーが『嵐が丘』、妹のアンが『アグネス・グレイ』を出版すると、「ブロンテ姉妹」として世間に知られるようになります。『嵐が丘』は、エミリーにとって唯一の小説でした。なぜなら彼女は出版の翌年に亡くなったからです。『嵐が丘』は、独自性と力強さと芸術的な価値を評価される一方、粗野で奇妙で非道徳的と批判されてきました。いずれにしても一つの解釈が難しい作品です。それが、今でも世界中の読者を引きつけている理由でしょう。
授業では、このような作品の背景について学んだ後、『嵐が丘』の主要な登場人物と第10章までのあらすじをおさらいし、第11章の重要な単語や熟語を確認していきます。さらに内容についてディスカッションを行い、学生たちは、登場人物のヒースクリフ、キャサリン、ネリー、エドガー、イザベラとそれぞれの役になりきり、4つの場面を演じます。英語を使って演技をすることは難しいことです。しかし、練習を繰り返すことで、スピーキング力の向上や物語をより深く理解することにもつながります。文学を通して英語を学ぶことで、より一層の英語力向上が期待できるのです。

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江口 智子准教授生命科学部 生命科学科

  • 専門:19世紀の英文学
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