生物資源学科

植物と微生物に学び、未来をつくる

極限環境生命科学研究室(伊藤政博 教授)

極限環境微生物の先端研究をSDGs達成のために社会実装する研究

極限環境とは、私達が『とても生物は生きていけないだろう!?』と思う過酷な環境です。しかし、このような環境にも(微)生物が生息しています。なぜ、そのような過酷な環境に生命は生きているのでしょうか?それは、地球の歴史を遡らなくてはなりません。地球が誕生して46億年、地球上に最初の生命が誕生して38億年といわれています。この長い時間の中で、私たちの住む“地球”は、現在のような“穏やかな”環境であったわけではありません。地球全体が氷河におおわれる全球凍結(Snowball earth)、巨大噴火“スーパープルーム”や隕石落下による生命の大量絶滅など、地球上の生命たちは何度も絶滅のふちを漂いました。 地球上の生命たちは、地球が与える“試練”=“過酷な環境”に適応して進化を遂げたのだと考えられます。そんな環境で“極限環境生物”は、誕生したのです。

多くの微生物が生存できないような環境条件を好んで生育場所とする“変わりもの”の極限環境微生物を利用した成果はすでに多くの分野で活用されています。この「極限環境微生物」の機能を応用することで、革新的な様々な技術へのヒントがあると考えられています。

極限環境生命科学研究室では、

  1. 極限環境微生物がどのような“特殊能力”をもっているのか?
  2. その能力は、どのようなメカニズムによるものなのか?
  3. その能力を持続可能な世界の実現に向けてSDGs達成のために役立てることはできないか?

をテーマに日々研究を行っています。

この研究室を希望する方へ

バイオレジリエンス研究プロジェクトのロゴ

東洋大学の特徴の一つとして過酷な極限環境でも生育可能で新たな生物資源として注目される極限環境微生物(Extremophiles)研究に強みがあることが挙げられます。極限環境生命科学研究室では、我々の強みである極限環境微生物研究の先端科学と知見を社会に還元しSDGsが掲げる目標に貢献することを目指す、2021年からスタートしたバイオレジリエンス研究プロジェクトに参画し、極限環境微生物の持つ能力を社会に役立てる研究に取り組んでいます。

極限環境微生物たち

イエローストン国立公園内にある七色に輝く温泉「グランド・プリズマティック・スプリング」70度を超える温泉にはたくさんの極限環境微生物が生息しています。