生物資源学科

植物と微生物に学び、未来をつくる

極限生命材料工学研究室(東端啓貴 准教授)

極限環境微生物に関する研究

私たちの研究室では、超好熱菌、難分解性化合物であるプラスチックを分解する微生物重金属耐性菌、など極限環境に生育している(生育できる)微生物を中心に研究を展開している。分子生物学的手法を用いた基礎研究、極限環境微生物由来酵素の産業への応用を目指した研究など幅広く行っている。

超好熱菌の高温環境への適応戦略
グツグツと煮えたぎっている温泉や海底熱水噴出孔などから特殊な微生物が単離されており、これらを超好熱菌と呼ぶ。高温環境下では、普通の生物のタンパク質は、ゆで卵のように茹であがって(変性して)しまうが、この微生物のタンパク質はそのような環境ですばらしい機能を発揮する。超好熱菌はどうして「超好熱性」なのか?この理由を酵素・遺伝子のレベルで解析することによって、産業利用や医薬品の開発といった可能性へとつなげていきたいと考えている。
プラスチック分解菌の単離と環境浄化への応用
マイクロプラスチックによる海洋汚染が、海洋生物、鳥類、ヒトなどへ深刻な悪影響を及ぼす可能性があるとして、近年、世界中で注目されている。プラスチック分解菌を自然環境から単離しその特徴を調べることで得られた知見を、環境浄化に利用しようと考えている。
重金属耐性菌の単離・同定と環境浄化への応用
渡良瀬遊水地の重金属汚染土壌サンプルから単離した銅耐性細菌Lysinibacillus属AN20SW1株は、高濃度の硫酸銅存在下、増殖することができる。重金属の回収など環境浄化への応用を試みたい。

この研究室を希望する方へ

教科書には載っていない「未知」を明らかにするために研究しています。計画通りに進まないのは当たり前です。すぐに結果がでるような研究はありません。研究には失敗はつきものです。「未知」を「既知」にするには根気が要りますが、やりがいを持って打ち込むことができると思います。失敗を恐れずに積極的な姿勢でチャレンジする方をお待ちしています。