夢を追いかける主人公の姿に共感し、卒業論文のテーマとしてアメリカ文学の名作『グレート・ギャッツビー』を選んだ英米文学科の中村幸子さん。「私も、いま挑戦しなかったら後できっと後悔するから」と就職活動はせず、漫画家をめざしてオリジナル作品を描いている。

SCAT(現LEAP)プログラムで英語に自信

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大学受験時に英語の勉強で、やればやるほど身につく手ごたえを感じ、社会に出る前にもっと英語を身につけたいと、英米文学科を志望しました。それにもかかわらず1年生の時は、英会話の授業なのに日本語を話してしまうなど、英語の勉強を少しサボっていました。

でも、これではいけないと思い、2年生から大学の英語学習支援プログラムSCAT(現LEAP)の受講を始めました。講義式の授業ではなく、ネイティブスピーカーの先生とのやり取りで英語を学ぶプログラムで、授業中は英語しか話せません。週4日も授業があり、英作文や英文法も自然に学ぶことができました。このプログラムは全学部生が受講できます。事前の選抜試験と時間割調整によって20人程のクラスに分けられ、他学部にも友だちがたくさんできました。

SCAT(現LEAP)には留学をめざす学生が多く集まります。でも、私は留学ではなく、英語を勉強している人が集まる海外サイトにアクセスしてみました。そのサイトの情報もSCAT(現LEAP)で教えてもらったのです。スペイン人やドイツ人など、英語が母国語でない人たちが集まり、英語で交流していたので、私も同じ趣味の人を探し、メールのやり取りをするようになりました。留学ではありませんが、国内にいながらにして世界が広がった感じがしています。

繊細で一途な主人公に共感

英米文学科では、1年次に「フレッシュマン講読セミナー」という講座が必修です。この講座は少人数で英文を精読するものですが、私はこの講座を通じて寺島照明先生に出会いました。高度な内容の授業でしたが、しっかり予習や復習をして臨むと、先生もそれをわかってくださり「あなたは常識を持っているから大丈夫」と、穏やかに励ましてくれることがうれしくて、寺島先生のアメリカ文学ゼミナールに入室し、現在、卒業論文の執筆指導も仰いでいます。

卒業論文に向けた演習は、1~2年次で基礎を固め、3~4年次は応用となり、4年生で卒業論文を執筆します。寺島先生のゼミでは、月に1回、4000字のレポートの提出があります。それ以外にも授業内でヘンリー・ジェイムズなどの短編を扱い、毎回自分で翻訳し、コメントをまとめています。

私は卒論のテーマに、F・スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャッツビー』を選びました。この夏、映画化される名作ですが、2年生の授業でこの作品を読んだときに、主人公・ギャッツビーが周囲に翻弄されながらも、夢を追い続ける姿に強くひかれました。論文の執筆にはこれから取りかかりますが、人物描写などに注意しながら、まとめていきたいです。

やりたいことをあきらめたくない

私は4年生ですが、就職活動はしていません。将来のことを考えた時に、自分のやりたいことを優先しようと考えたからです。私は高校時代から漫画が好きでした。大学と漫画制作の専門学校のどちらに進学するかを迷ったのですが、高校の先生に「大学は4年間も時間があるから、その合間で漫画を描けるのでは」とアドバイスを受け、大学に進学しました。でも、もう4年生になったのに、まだ納得できる作品が描けていないのです。

卒業後にどうすべきかを寺島先生に相談すると「若いうちは、何でもやっておきなさい」と励ましてくれました。また、就職・キャリア支援課の方も「期間を区切って挑戦したら」と応援していただきました。もし、今あきらめたらきっと後悔してしまう気がします。就職・キャリア支援課の方と約束した期間は少し延びてしまっていますが、絶対に描きたいと思っている作品の構想があるので、満足がいくまで描いて、一つの作品として仕上げたいと思っています。

中村幸子さん文学部 英米文学科 4年

  • 所属ゼミナール:寺島照明ゼミナール
  • 埼玉県立久喜高等学校出身

  • 掲載内容は、取材当時のものです