都市環境デザイン学科

自然と調和した都市システムを生み出すスペシャリストを育成。

防災システム研究室(鈴木崇伸 教授)

地震などの災害に強いまちづくりの研究

都市はひとやものが集積する場所であり、いろいろなシステムが組み合わされて安心・安全・快適な空間となっています。しかしひとたび大きな災害が起こると、脆弱な面を見せるのも都市の特徴であり、過去の教訓を活かして脆弱さを改善する必要があります。2011年に起きた東日本大震災では、大きな揺れと史上最大の津波により構造物が壊れ、かつてない混乱を招きましたが、震災で見られた被害の原因を分析し、改善するための研究が望まれています。

都市の中でも社会基盤に注目して被害分析と対策の研究を進めています。一例として津波による橋や堤防の流出を解析的に再現する研究、マンホールの浮き上がりや電柱の沈下など地盤の液状化に伴う構造被害を解析的に再現する研究などを進めています。また予想される首都直下地震に備えて、地盤条件による揺れの大きさの変化を予測する研究や、土地利用の歴史により地震被害がどのように変わるかを研究しています。

都市システムの中でも水道やガス、通信といったライフラインの防御システムや復旧戦略についても研究を進めています。ビルや住宅の耐震化にあわせてライフラインシステムの脆弱性を解消する必要がありますが、高度経済成長期につくられた施設は老朽化が進み始めていて、メンテナンス技術と防災技術の融合が望まれています。ライフラインのメンテナンスと防災の戦略に関する研究も行っています。

この研究室を希望する方へ

防災技術は総合的であり、構造に興味があるだけでなく、地震被害やそれに伴う社会の混乱に興味があると、研究の面白さが倍増します。強い揺れでどのように構造物が壊れていくか、首都圏で電車が止まるとなぜ電話がかけられなくなるか、停電になるとなぜ断水になるかなど素朴な疑問を持ってほしいと思います。解析や実験のほか調査データを積み上げることで答えを見つけるのが研究になります。