都市環境デザイン学科

自然と調和した都市システムを生み出すスペシャリストを育成。

循環評価システム研究室(村野昭人 教授)

基礎杭を利用した地中熱利用システムの開発

地中の温度は、5m程度の深さになると外気による温度変化を受けにくくなるため、年中安定しています。すなわち、夏は気温より低く、冬には気温より高い状態になります。この温度差を利用してエネルギーを獲得する、地中熱利用の技術開発が進められています。

地中熱は天候や場所に左右されない安定したエネルギー源として着目されていますが、エネルギーを得るための施設のコストが高いことがネックとなっています。

そこで、建造物を建てる時に必ず設置する基礎杭を利用することで、コストの安い地中熱利用システムの開発を目指しています。

バイオマス再資源化システムの費用対効果の評価

バイオマスとは、木材・紙・食品残渣・家畜ふん尿など、生物に由来する有機性資源の総称です。再生可能であり、燃やしても大気中の二酸化炭素濃度を増やさないカーボンニュートラルという性質を持つことから、近年その利用が進められています。しかし、広く薄く存在していることがネックとなり、計画通りには利用が進んでいません。バイオマス資源の発生から利用までを効率的なプロセスで結んだ、総合的利活用システムの構築が求められています。研究室では、バイオマス再資源化システムの環境負荷削減効果やコスト、経済的波及効果を算出し、システムの費用対効果を評価しています。

この研究室を希望する方へ

地球温暖化を始めとする環境問題の深刻化は、産業革命以来、数百年にわたって一途に経済成長・経済開発を目指した世界が方向転換をするための絶好の機会であり、『環境』は21世紀における世界共通のキーワードです。

しかし、残念ながら現在の環境に関する議論はイメージ先行であり、効果が定かでない製品やサービスが『環境に良い製品・サービス』と信じられている懸念があります。ともすれば情緒的なものに陥りがちな議論を、科学に基づいた客観的な知見に基づいて行うことが重要です。

そのような考えから、私は学生時代から一貫して、環境施策の環境負荷削減効果を定量的に評価する研究を行っています。現代においては、インターネットなどを通じて膨大な情報を容易に入手できます。しかし、それらの情報の中には不正確なものも多く含まれております。得られた情報を鵜呑みにするのではなく、その妥当性を自分で判断する習慣を付けることを期待します。