地盤工学研究室では、砂や粘土といった「地盤材料」の力学的特性を解明し、安全で持続可能な社会基盤の構築を目指した研究を行います。地盤はあらゆる構造物を支える基礎でありながら、その性質は極めて複雑で不均一です。本研究室では、実験室で実施する要素実験や模型実験、時には現場データを採取し、地盤に起因する諸問題の解決に取り組んでいます。
主な研究テーマの一つは、自然災害に対する地盤の防災・減災です。2011年の東日本大震災や2024年の能登半島地震といった近年の巨大地震で深刻な被害をもたらした液状化現象や、それらを未然に防ぐための適切な改良材や工法を用いた地盤改良を研究対象とします。液状化および地盤改良の研究では、土の動的性質を把握することが不可欠です。本研究室では、例えば繰返し三軸試験を用いて地震時の過剰間隙水圧の上昇過程や剛性低下を詳細に評価し、改良土の液状化抵抗特性を検証しています。また、ベンダーエレメント試験を併用することで、非破壊で微小ひずみレベルのせん断弾性係数を測定し、地盤改良による固化・補強効果を力学的に定量的かつ高精度に分析する研究に取り組んでいます。
他にも、環境負荷低減に向け、余剰バイオマスを再資源化した地盤改良材の開発に取り組んでいます。例えばもみ殻から生成された灰と石灰水を複重合反応を起こさせ強度を発現させるジオポリマーの技術を用いた改良材を土に混合し、その力学特性や物性値を評価します。廃棄物の有効利用と地盤の安定化を両立させるとともに、炭素貯留による脱炭素社会への貢献を目指した実用的な研究を推進しています。
これらの研究活動を通じ、地盤工学分野の知見から物理学的な力学理論、さらに将来的には最新のデータサイエンスまでを横断的に活用したいと考えています。本研究室での学びを通じ、ミクロな土粒子の挙動からマクロな国土保全までを多角的に捉え、地震や豪雨に強い強靭な社会基盤の実現に貢献したいと考えています。