電気電子情報工学科
明日の地球につながる技術物性理論研究室(柴田絢也 教授)
スピントロニクスの物理
2007年のノーベル物理学賞受賞の対象となった「巨大磁気抵抗効果」の発見以降、電子のスピン自由度(磁石になる性質)を新たにデバイスへと応用しようとする「スピントロニクス」という分野が目覚ましい発展を遂げており、国内外で盛んに研究がなされている。巨大磁気抵抗効果は非常に微小で薄い磁石が電流に与える影響を抵抗としてみているのに対し、最近は、直接電流をその微小な金属に流すことによって、その磁石を制御しようとする研究が注目を浴びている。この性質を利用することにより、高密度で高速な次世代ハードディスクおよび次世代磁気メモリの開発が可能となる。本研究室では、これら「電流と磁石が相互に起因する現象」について、基礎物理学の立場から、場の量子論を用いた解析的計算およびコンピュータープログラミングによる数値的計算などの手法を用いて、理論的に研究を行なっている。
この研究室を希望する方へ
本研究室では、スピントロニクスの物理に関してその基礎的な研究をおこなうので、「物理に興味がある」、「物理が好きである」ということが、入室希望者に第一に望むことです。具体的なテーマに沿って研究をしていくには、物理の知識以外にも、計算技術やプログラミング技術がどうしても必要となってきます。しかしながら、あまり不安になる必要はありません。これらは研究室に配属されてから習得していけばよいものです。まずは物理に関して漠然とした興味があれば、それだけで十分です。物理の基本である「何故そうなるのか?」という問に対して、「自分で物事を考える」、「自分が納得するまで考える」といったことが好きな人には本研究室は居心地が良いものとなるはずです。