エネルギー・制御分野、エレクトロニクス分野、情報通信分野について、系統立てて学びます。製造業やIT業界、エネルギー分野など幅広い分野・業界で活かされる学びであり、身近な情報端末からモビリティ、医療や宇宙開発まで、研究分野は多岐にわたります。「電気工学」「電子工学」「情報通信工学」を基に、現代社会を支える技術について理解し、広い視野と倫理観をもって新しい技術を創造する技術者を目指します。
指先から地球、宇宙につながる最新技術と創造力。
学問の魅力
電気・電子・情報通信工学の融合
「電気電子情報工学」とは、電気・電子・情報通信工学の3分野を融合した学問です。
電気電子情報技術は、コンピュータや家電、自動車、人工衛星などあらゆる工業製品に活用される、発展の著しい分野です。また同時に、エネルギーや環境といった地球規模の問題と密接に関わる分野でもあります。
技術の発展と持続可能な社会の実現に向け、エンジニアには専門知識だけでなく、高い倫理観が必要とされます。
本学科では、基礎的な科目の一環として哲学や倫理学を学び、専門的な知識や技術力とあわせて身につけ、これからの社会において求められるエンジニアとなることを目指します。
学びのメソッド
高い倫理感と創造力、専門性を培う3つの科目群
本学科のカリキュラムは、大きく3つの科目群に分けられます。
哲学を中心とした「基盤教育科目」では人間的成長の基盤となる教養を培うとともに、大学での学び方を身につけていきます。
「理工学基盤科目」では数学や物理学など理系分野を学ぶ学生に求められる基礎を確実に養います。
「専門科目」では電気電子情報工学の専門的知識や、技術力を獲得します。電気工学と電子工学、情報通信工学を基盤に、エネルギー・制御、エレクトロニクス、情報通信の各分野について専門的に学び、さらにコンピュータを活用する力を養います。
基盤教育科目
先人が築き上げた多様な考え方、思想、倫理観、人生観を学ぶ科目として「哲学」「倫理学」などがあります。特に東洋大学独自の哲学教育の理念・目的に沿う「井上円了と東洋大学」、理工学部人材養成の目的に沿う「エンジニアのための哲学」では、自らの価値観と社会人としての倫理観をもって自ら考え、行動できる人材としての素地を養います。
また理系の一般教養ともいえる「統計学」や、企業や組織の運営・管理のあり方を研究する「経営学」では、国際社会において必要とされる分析力、組織運営とリーダーシップについて学びます。さらに、文献・資料調査の手法、文章・レポート作成の手法を学ぶ科目や、日本語のリテラシーやコミュニケーション力を身につけるための科目も設置されています。
専門科目
技術革新に柔軟に対応し、次世代を担う技術者に求められる専門性を高めるための科目群です。本学科では「電気工学(エネルギー・制御)」、「電子工学(エレクトロニクス)」および「情報通信工学」分野を「3つの柱」としています。
1年次では、基幹科目「電気回路Ⅰ」、「コンピュータプログラミングⅠ」を必修科目としています。また、2年次以降の専門科目を修得する動機づけともなる「電気電子情報工学通論Ⅰ」が配置されています。プログラムの作成や電子回路製作に取り組むなど、実践的な学びで創造力を養います。
2年次では、1年次に引き続き基幹科目「電磁気学Ⅰ」、「電子回路Ⅰ」を必修科目として学習し、これらをより深く理解するための科目として「応用解析学A、B」も設けられています。また「電気電子情報実験Ⅰ」の実験科目で、技術革新に柔軟に対応できる技術力の基礎を学びます。
3年次では、必修科目「電気電子情報実験Ⅱ、Ⅲ」で、将来必要となる専門的な技術力を身につけます。また「3つの柱」の各分野に関してさらに専門性の高い科目が多く配置され、技術革新に柔軟に対応できる技術者に求められる知識と技術力の習得を目指します。
4年次では、各分野の研究室に所属して研究に取り組み、これまで学んできたことの集大成として卒業論文をまとめます。卒業研究発表を通してより高度な専門知識を得るとともに、自らの考えを文章と口頭で的確に伝える能力を身につけていきます。
「教育課程表」には、本学科が設置している科目を掲載しています。「カリキュラムマップ」では各科目をテーマごとに分類し、それぞれの科目がどのように関わり、つながっているかを紹介しています。
卒業論文のテーマ例
- コミュニケーションロボットのための映像からの行動推定
- 異なるQoSを扱うWBANのためのリード・ソロモン符号及び畳み込み符号による連接符号の性能評価
- RGB色LED照明による老視改善効果の向上,および陶磁器展示に適したLED照明に関する研究
- SPS 実証実験用地上受信システムの設計と評価手法の検討
- フレネル回折実験のための理論計算と電磁界シミュレーション
- グラフェン表面で発生する 20 fs レーザー光の第二高調波の観測
- ハイブリッド直流遮断器の機械接点駆動用ゲートドライブ回路設計
- ネオントランスを電源に用いた大気圧プラズマジェットの放電電圧測定
- 強磁性薄膜におけるスピン波伝搬に関する数値的研究
- 絶縁性結晶表面上へのグラフェンの気相成長および電子物性に関する研究
- FinFETにおけるスケーリングパラメーターの提案とその検証
- Ga2O3マイクロパウダーからの電界放射に関する研究
学びのポイント
重要科目は2クラスでの少人数授業で実施
本学科では、技術革新に柔軟に対応できる技術者を育成するため、次の3点を教育目標・実施の基本方針としています。
- 基礎学力の重視
- 実験・実習・演習により育まれる実践力の養成
- ハードとソフトの技術力の育成
それぞれが志向する専門分野に親しみ、学びとのスムーズな接続を図るため、専門科目への架け橋となる科目が1年次から設けられています。
また専門性の高い学びに取り組むためには、電気・電子・情報通信と多岐にわたる分野で共通して必要となる基礎科目を十分に理解し、応用する能力を身につけていくことが欠かせません。「電気回路」「電子回路」「電磁気学」「コンピュータプログラミング」などの基幹科目と、これらを理解するために欠かせない「応用解析学」の講義は少人数の2クラスに分けて行われ、きめ細やかな指導を受けながら学ぶことができます。
理論と実践を兼ね備えたエンジニアの素養を培う
電気・電子・情報通信分野の基礎的かつ重要な内容については、講義にくわえ実験、演習を行うことで理解を深め、理論と実践を兼ね備えたエンジニアとしての素養を身につけていきます。
たとえば、2年次の秋学期から始まる科目「電気電子情報実験」は、内容によってⅠ(電気電子情報通信工学の基礎)、Ⅱ(電子回路と通信工学の基礎)、Ⅲ(電気システム系と電子物性系の基礎)の3段階に分かれています。実験の基礎を学ぶⅠから順に学んでいくことで、電気電子情報工学の基礎を、実験を通して自然に学ぶことができるよう工夫されています。ていねいな指導を受けながら実施する実験に取り組み、実験装置を扱うスキルを習得。さらに実験報告書(実験レポート)作成を通して、将来必要となるグラフ・表を含む技術報告書の書き方の基礎も身につきます。
学びを通して関連資格の取得が可能
所定科目において十分な成績を満たして単位を取得し、卒業することで取得可能、あるいは取得のための条件が緩和される資格があります。
- 第一級陸上特殊無線技士、第三級海上特殊無線技士……所定科目の単位を取得すると卒業後、申請によって取得可能
- 電気主任技術者……試験に必要な科目の単位を取得し、卒業後一定の実務経験を積むことによって取得可能
- 第二種電気工事士……所定科目の単位取得により、卒業することで筆記試験免除
- 電気通信主任技術者……所定科目の単位取得により、受験の際に一部科目免除
- 技術士…必要な所定科目の単位を取得し、卒業後一定の実務経験により受験資格が得られる
また、卒業認定の対象となる所定科目群および教職科目の単位取得により、中学校教諭第1種(数学・理科)、高等学校教諭第1種(数学・理科)の資格を取得することができます。
専門性と紐づいた英語能力の向上
目的に応じた科目で英語運用能力を養う
理工学の分野で要求される基礎英語力を身につけるため、1年次には「Writing Ⅰ/Ⅱ」、2年次には「Reading Ⅰ/Ⅱ」で英語を書く・読む力を養います。また、応用英語力を鍛える選択必修科目として「Speaking Ⅰ~Ⅳ」のほか、TOEIC®テストやTOEFL®テストなど留学に必要な試験への対策が進められる科目も開設されています。
3・4年次の「Basic Technical English」「Advanced Technical English」では、卒業研究や大学院での研究活動に活用するための実践的な英語力を強化します。
また国際的視野で考え判断できる能力を養うため、英語で行われる授業が設けられています。「英語と文化」「Japanese Culture and Thought」では自国文化・伝統と英語圏文化との比較・対照を、「Scientific Concepts in English」では科学的な物の見方を英語で学習します。また、長期留学を目標とした全学共通プログラムLEAP(Learning English for Academic Purposes)科目では、英語で表現する能力を鍛えます。
専門科目の英語での実施
必修科目「コンピュータプログラミングⅠ」を英語で開講し、英語での専門知識の獲得の基礎を養います。また必修科目「輪講Ⅰ、Ⅱ」では、英語論文や洋書を用いて卒業研究に必要な専門的知識を養い、 国際的に活躍できる技術者に必要な英語読解力を培います。
異文化理解、複言語主義への対応
外国の伝統と文化を学ぶ科目として「ドイツ語と文化」、「フランス語と文化」、「中国語と文化」、「韓国語と文化」といった多言語科目が3年次に配置されています。なお、外国人留学生は1、2年時に日本語科目が必修となっています。
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