建築は私たちの生活の背景を形づくるものです。そのため、建築には機能を超えた社会的、環境的な貢献が求められています。研究室では、建築設計を通して、社会や環境について理想とする姿を思い描き、実現に寄与する建築のあり方を探求していきます。その実践において、場所の潜在的な力を読み解き引き出すこと、歴史を学び俯瞰した視点から社会との接点を捉えること、建築を人と自然のあいだにある物質として考えること、複雑な世界に対して建築としての合理性を見出すこと、接続と切断の操作によって関係を再構築することを手がかりとします。
現代の社会や環境に向き合う中で、建築設計の可能性を具体的に探究するため、「公共空間」を考察します。建築を、人と人、人と自然の関係を媒介する存在として位置づけ、それらの関係が立ち現れる場として公共空間を捉えます。提供の主体や制度の有無によらず、公共的領域と私的領域のあいだに成立する半公共空間も含め、広く対象とします。事例分析とフィールドワークを往還しながら、構造や特性を明らかにし、その成果を建築設計へ還元することで、都市空間や自然環境の中で、現代に求められる建築のあり方を提案していきます。これらの取り組みを通して、建築を社会や環境との関係の中で捉える思考を育てます。