文学部

哲学科

ものごとの本質を探る旅。

ものごとの本質を探る旅。

さまざまに変化する世界において、哲学はどのような役割を担うことができるでしょうか。学びと思索を繰り返しながら、哲学者たちから発せられるメッセージを読み解いていきます。

「講義」によって哲学的な知識を身につけ、その知識を基にして、「演習」において精密にテキストを読解し、徹底的に討論や対話を行います。こうした学習のプロセスを通して、考える力、コミュニケーション能力、語学力など現代を生き抜くためのさまざまな力を身につけます。

学問の魅力

「善く生きる」ために、物事の本質を見極める

「哲学」とは、身近な問題を深く洞察し、物事の本質を見極める学問です。

古代ギリシアで誕生した後、ヨーロッパ大陸を中心に発展し、現在に至るまで多くの哲学者たちが思考を続けてきました。それは、「善く生きたい」という、誰しもの希望をかなえるための試みです。

現代に生きる私たちも、先人の哲学者が遺した財産を受け継ぐだけでなく、目の前にある物事の本質を探ることで、いまを「善く生きる」ということの意味を考えていきます。

学びのメソッド

哲学を広く深く学べるカリキュラム

授業は講義と演習に分かれます。各科目を連携させ有機的にすることで、学年ごとに学習内容がスムーズに進展していきます。

西洋哲学史や倫理学といった専門の講義では、基礎から専門分野まで広く学習します。そして演習でドイツ語やフランス語を学んで原書の哲学書を読むほか、読解・対話・討論などの能力を磨いていきます。また、並行して哲学の隣接分野を学びます。

対話を通して、思考力を高める

本学科は創設以来125年を超え、日本の私立大学で最も長い歴史を誇ります。

学びの幅は広く、古代ギリシア思想から現代思想まで、多様な哲学領域を学ぶことができます。

講義では哲学知識を広く深く理解し、哲学書を原典で読むために、英語はもちろんドイツ語やフランス語などの語学の修得を重視します。

さらに、1年次から少人数制の演習で学び、「私はこう思う」「なぜそう思うのか?」という対話を徹底的に行うことで、思考力を養っていきます。いままで抱いていた漠然とした疑問が、哲学を学ぶことで「わかった」と確信できる。教員や学友との交流を通じて、そんな「知」の探究を行います。

広大な哲学の世界を案内する6つのコース

哲学は古代ギリシアを発祥とし、その長い歴史のなかで多様な仕方で発展・先鋭化してきました。ほかの諸学と同様、哲学もその内に複数の専門分野を含んでおり、哲学の扱う領域は広大です。

しかし、大学入学以前に哲学を学ぶ機会は、日本ではほとんどありません。そのため、哲学という学問についてのイメージは多くの場合漠然としていて、哲学にどのような専門分野があるのかについては、あまり知られていないのが現状です。それゆえ、大学で哲学を学び始めるとその領域の広さにとまどい、何を学びたいのかを見失ったり、学びたいことが多すぎて的を絞れなかったりするケースがあります。

本学科では、学問の各分野と哲学のつながりをもとにコースが設定され、目的意識をもって学ぶことができます。設定されているコースは、「自然環境哲学コース」「身体表現哲学コース」「芸術哲学コース」「宗教・歴史哲学コース」「死生学コース」など現代の人々の関心に沿ったものと、古典的な文献研究を行う「哲学基礎専門コース」の6コースです。

教育課程表・カリキュラムマップ

「教育課程表」には、本学科が設置している科目を掲載しています。「カリキュラムマップ」では各科目をテーマごとに分類し、それぞれの科目がどのように関わり、つながっているかを紹介しています。

卒業論文のテーマ例

  • ソクラテスの「魂への気遣い」について
  • 生得観念をめぐる初期近代の論争 ロックとライプニッツ
  • 反出生主義の生命倫理的意義
  • ジャンケレヴィッチ音楽論の射程
  • 感情と身体と言語・感情を作る

学びのポイント

哲学を学ぶ必須条件としての語学

学問は基本的に言葉や記号を用いて理論を構築します。専門用語や記号の意味を厳密に決めてから進められる学問ではそれほど問題とされませんが、古典文献や日常的な事柄を扱う場合には、他言語で書かれた原典と翻訳された日本語の間にずれが生じやすくなります。それぞれの言語において、一つひとつの言葉が持つ意味の範囲や表現の仕方が異なるからです。そのため、古今東西の哲学を学ぶ上では、海外の文献を読み解き、理解するための語学能力が欠かせません。

本学科では、英語・ドイツ語・フランス語のうち、少なくとも2カ国語の学習が必要最低条件となっています。語学学習は国際コミュニケーションの科目だけでなく、1年生から4年生にいたるまで、おもに演習科目において各言語のテキスト講読を行います。それによって語学能力を伸ばし、異文化理解を深め、自らの文化に対する自覚を養いながら、国際的教養人となるべく学びを深めます。また同時に、授業のたびに相当の時間を使って、英語・ドイツ語・フランス語などで思考する訓練を重ねます。

また哲学のはじまりである古代ギリシアの哲学の文献はギリシア語で、中世から近代までの哲学の文献は、当時の知識人が広く使用していたラテン語で残されています。これらギリシア語やラテン語に関しても選択科目として用意し、原典を学ぶためのサポート体制を整えています。

演習科目の充実

哲学の基礎的なトレーニングから専門的な研究まで扱う、豊富な演習科目が本学科の大きな特色です。

本学科のカリキュラムでは、1年次に1科目、2年次に2科目、3・4年次には合わせて5科目以上の演習科目に取り組みます。

1年次の「哲学演習Ⅰ」と2年次の「哲学演習Ⅱ」で簡単な原書講読を行いながら、哲学における討論がどのようなものかを体験し、「問題群演習」で論文作成の訓練を行います。こうして哲学を専門的に学ぶ基礎的能力を身につけた上で、3・4年次には専門的な演習に取り組みます。

3・4年次の「哲学演習群」は9科目から選択して学びます。各科目に異なるテーマが設定されているため、それぞれの興味と関心に応じて選ぶことができます。「哲学演習群」では同一科目を2回まで学ぶことができるため、興味のある専門を2年間かけてじっくりと学び、研究することも可能です。

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