英米文学科

英語を通して異文化を理解し、英語の4技能を磨く。

英語を「文学」と「語学」の両面から学び、文学的・語学的読解力と、思考力、表現力を身につけます。英語力を磨き、日本人ならではの視点で英語圏の文化や価値観を捉えて、世界に発信できる人財を目指します。

学問の魅力

英語を通して知性を鍛え、豊かな情緒を育む

英米文学科では、「英文学」「米文学」「英語学」という、3つの学問分野について学びます。いずれの分野でも、「読む」「書く」「聴く」「話す」の英語の4技能の習得は不可欠です。母語ではない言語やその文学作品を研究することは、決して簡単なことではありません。しかし、英語圏の社会や文化や価値観を知ることは、同時に日本人や日本語への理解をも深めることでもあります。そしてそれはネイティブスピーカーにはない視点や発想で、英語や英米文学に切り込んでいくことにつながります。言語とは、知性を鍛え、豊かな情緒を表現する道具です。人間にとって不可欠なこの道具による創造に向き合う醍醐味を味わってください。

学び方

4年間で確固たる英語力を身につける

「読む」「書く」「聴く」「話す」の4技能を高めることは、英文学・米文学・英語学を研究する上で必須の条件です。本学科では、1・2年次には基礎を徹底的に固め、英米の詩・小説・劇などの研究や、英語の音声・文法・歴史などの分析に取り組みます。3年次には応用的な授業へと発展し、4年次にはそれまでの学びの集大成として、自分で決めたテーマで卒業論文を執筆。少人数制の卒論セミナーで、自分の知力を試します。4年間の学びを通して、確固たる英語力を武器に、自ら問題を提起し、考え、結論を出していく力を養います。

4年間の学び

英米圏の文学・文化・語学の奥深い世界へ

1・2年次に少人数制の授業で英語の4技能ー読む・書く・聴く・話すーを高め、3・4年次に各専門分野ー英米文学・英語学ーを幅広く学びます。英語圏の文化を学びながら、文学的・語学的読解力、思考力、表現力を養い、4年次に卒業論文を制作します。海外留学を経験し、国際的な舞台で活躍する卒業生、英語教員となる卒業生が多いことも本学科の特色です。

卒業論文のテーマ例

  • ウィリアム・シェイクスピア作『真夏の夜の夢』の研究:月の効果
  • シャーロット・ブロンテ作『シェイン・エア』の研究:狂わされた天使
  • オスカー・ワイルド作『ドリアン・グレイの肖像』の研究:四つの死
  • ヘンリー・ジェイムズ作『ある貴婦人の肖像』の研究:イザベルの性格と運命
  • テネシー・ウィリアムズ作『熱いトタン屋根の猫』の研究:「クリック」を探して
  • トルーマン・カポーティ作『遠い声、遠い部屋』の研究:現実としてのセクシュアリティ
  • 前置詞の研究
  • 音象徴の研究:男性らしい音と女性らしい音
  • 英語教育におけるICTの活用に関する研究
  • ジェンダーと言語の関係についての研究:ディズニープリンセスの女性像の変化

学びの取り組み

「フレッシャーズ講読セミナー」を中心とした少人数制の1年生教育

本学科は英語の「読む」「聴く」「話す」「書く」という4技能を向上させることを、教育の基本としています。英語を「読む」授業として「フレッシャーズ講読セミナーA」「フレッシャーズ講読セミナーB」(以下「フレッシャーズ講読セミナー」)、英語を「聴く」授業として「英語音声学演習A」「英語音声学演習B」、英語を「話す」授業として「英会話ⅠA」「英会話ⅠB」、英語を「書く」授業として「英語ⅠAA」「英語ⅠAB」という少人数制の授業を1年次の必修科目にし、基礎的な語学力を鍛えます。1年生教育の中心となるのが「フレッシャーズ講読セミナー」です。精読する英文は現代小説や英英辞典などさまざまですが、どのクラスも専任教員が担当します。1クラスが15~20名程度と少人数制なので、どのクラスもアットホームな雰囲気に包まれているのが特徴です。学生同士の距離が近いのはもちろんのこと、教員と学生の距離も密接なため、小さなことでも遠慮せずに質問できる環境です。毎日英語を勉強していることが実感できる大学生活を提供します。英語の4技能の向上は、1年次のみに終わりません。英米文学科は基礎的な語学力を発展させ、英文学、米文学、英語学を勉強する「英語漬け」の4年間を約束します。

英文学、米文学、英語学を幅広く網羅した授業

英語を通してイギリスやアメリカを中心とした英語圏の文学作品(小説、詩、戯曲、批評など)を味読し、英語圏の文化や思想を理解する能力を培い、英文法、英語学、英語教育の知識と技能を修得できるように指導します。同時に、人間の多様性を広い見地から深く理解できる人材を養成します。また、英語学を学ぶことによって言語に対する論理的な理解ができる人材を育てます。この文学研究と英語学研究の両者が相まって、バランスの取れた良識と分別を備えた人材となるよう教育することが最終目標です。つまり、文学か語学に偏らず、幅広く学んでもらうことを教育方針にしています。しかし、学びたいという興味を無視するわけではありません。学ぶ側が学びたいものをより多く学べる、選択制を重視したカリキュラムを実施しています。

「卒論セミナー」を中心とした卒業論文の制作

勉学の集大成となるのが卒業論文です。制作の過程を通じて基礎知識を発展させ、独力で書き上げ、創造的な思考に到達できるように指導します。4年生には「卒論セミナーA」「卒論セミナーB」(以下、「卒論セミナー」)を必修とし、教員との親密なコミュニケーションを通じて成長を図っていけるようにしています。「卒論セミナー」は、どのゼミも10~20名程度の少人数のゼミであり、専任教員が担当します。「卒論セミナー」も「フレッシャーズ講読セミナー」と同様、教員と学生の距離も学生同士の距離も密接です。英米文学科には「卒業論文」という授業はなく、この「卒論セミナー」で卒業論文の指導を行います。4年次には、自分の選んだ研究題目によって専任教員が担当する「卒論セミナー」のどれかに所属し、卒業論文を書き上げ、自分の力だけでひとつのことを成し遂げる喜びを味わってもらいたいと思います。「卒論セミナー」は、担当教員によって指導の方法が異なります。研究発表と討論をさせたり、グループ担当をさせたり、卒業論文の原稿を毎回少しずつ提出させたり、個人面接をしたりと、一様ではありません。しかし、いずれも卒業論文の制作の中心であり、大学を卒業して社会へ飛び出す最後のスプリング・ボードでもあります。