応用生物科学研究室(成川恵 助教)

有用微生物スクリーニングプラットフォームの開発

微生物は環境中に膨大な種類が存在し、それぞれが特有の機能を持っています。しかし、その中から特定の有用な微生物を見つけ出し、活用することは容易ではありません。現に、環境中の微生物で培養できるものは1%にも満たないと言われております。

当研究室では、微小液滴技術を用いて植物病原菌に対する拮抗微生物を効率的に探索するスクリーニングプラットフォームの開発を進めています。これにより、病害抑制に有効な新規微生物資源を発掘し、環境負荷の少ない病害防除技術の開発を目指します。

また、炭素循環において重要な微生物群の単離同定・機能解析にも取り組み、持続可能な環境技術への応用を探ります。特に、温室効果ガスの循環や分解に関与する微生物の役割を明らかにし、新たなバイオテクノロジーへの応用を視野に入れています。

植物や微生物の環境応答メカニズムの解析

生物は環境の変化に適応するために、多様な応答メカニズムを備えています。植物と微生物の相互作用や、それぞれのストレス応答に関する分子基盤を解明することで、環境耐性の向上や新たな共生システムの理解につなげることができます。

当研究室では、植物の成長を制御する新たなシグナル分子の特定や、環境ストレスに対する植物や微生物の適応メカニズムの解明を目指します。さらに、微生物が極限環境に適応する仕組みを解明することで、農業や環境科学、バイオテクノロジー分野への応用を推進していきます。

この研究室を希望する方へ

研究とは、「問題を見つける→未解決であることを確認する→解決方法を考える→実践して解決する」という試行錯誤の連続です。未知の課題に挑み続けることは容易ではありませんが、その過程こそが新たな発見を生み、科学を前進させます。こうした挑戦の積み重ねが生物学の多様な分野を形作り、研究の立脚点も遺伝情報そのものから、化合物、遺伝子、タンパク質、細胞、個体、生態系まで多岐にわたります。

当研究室では主に植物や微生物を扱いますが、これらは「食」と深く結びついています。食品の発酵・保存技術、腸内細菌の健康への影響、さらには持続可能な食生産といったテーマは、科学と社会をつなぐ重要な研究分野です。

食と生物のつながりを深く理解し、新たな問いを生み出し、挑戦し続ける意欲を持つ人を歓迎いたします。課題の設定も解決のアプローチも、すべて研究者の個性に左右されるからこそ、あなたならではの視点が重要です。食の未来を切り拓く科学を共に探求しませんか?

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