フードデータサイエンス学科

データで、新たな食の可能性を開く。

「フードシステム学」と「データサイエンス」との文理融合の学びで、食を取り巻く問題の解決に挑みます。食の歴史・制度・法律・文化に関する専門知識とともに、多種多様なデジタルデータの分析・活用スキルを獲得。社会で実践的にデータサイエンスを使って活躍し、データの力で食物の生産、物流、付加価値の創出、安定供給を支え、食の未来を創造する「フードデータサイエンティスト」を育成します。

学問の魅力

普遍的な食への理解と先端的科学

人工知能(AI)技術を中心としたデータサイエンス(データの適切な分析を客観的根拠とする科学)の発展は、フードシステム(農林水産物の生産から食品の製造・加工、卸売、小売を経て消費者に渡るまでのしくみ)のあり方を変え、食をとりまく環境を大きく変化させました。POSデータによるマーケティング、IoTを活用した「スマート農業」への取り組み、あるいはフードビジネスにおける高付加価値の創出。さらに高齢化社会における「健康寿命」の充実に向けた食生活のサポート、持続可能な食を実現するための政策立案など、活用の場は多岐にわたっています。
これからの社会において、食に関わる多様な領域についての知識と、先端的なデータサイエンス領域の知識・技術の融合は、食に関する問題の解決と新たな価値の創出において、重要な意味を持つ鍵となるものです。

学び方

食の専門的知識とデータサイエンスを融合

データ分析スキルを食の領域に適用するためには、データサイエンスについてだけでなく、食環境科学、栄養学、あるいは食の歴史・制度・法律・文化に関する専門知識を備えていることが必要です。コンピュータの処理能力向上とビッグデータの利用可能性向上により、AI等を利用した予測・分析は著しく進歩しました。しかし、食品や食文化、フードシステムに関する専門的知識と理解なしに、データを適切に処理し、信頼に足る予測精度や考察を得ることは困難だからです。
本学科では、食の未来を創造する「フードデータサイエンティスト」となるべく、関連する領域を総合的に学習。食に関する深い知識、データサイエンス領域の全般的な知識・技術、そして食に関わる社会経済問題を捉えるための社会科学的方法論を身につけます。

次世代社会に貢献する「食環境科学」の多様性

フードデータサイエンス学科では、Society5.0に対応する次世代社会の実現に向け、食に関するあらゆる分野を網羅的に扱う「食環境科学」の領域から社会に貢献できる人財を目指して、多様な学びを展開します。食環境学領域に関わるさまざまな先端的知識・技術を扱う学部共通科目「食環境科学総合演習(f-STEAM)」では、f(食環境科学領域における)-S(Science)、T(Technology)、E(Engineering)、A(Art)、M(Mathematics)の5分野について複合的なスキルを身につけます。このほか、急速に進展しているデジタル化に対応する「データサイエンス概論」、他大学や外部研究機関、企業等の専門家による講義などを行う生命科学部との共通科目「未来共創概論」を設置しています。

グローバル化への対応

学内連携を基点にした国際的な教育・研究拠点

本学科と同じく朝霞キャンパスに展開する生命科学部や、健康スポーツ科学部、ライフイノベーション研究所、工業技術研究所などとの学内連携をはじめ、学際的な分野において世界水準の研究力の獲得、国内外の産官学連携による研究の活性化を進め、国際的な教育・研究拠点への発展を目指します。

キャンパス内留学 Toyo Achieve English 英会話講座

会話を中心にキャンパス内で学べる英会話講座を実施。授業の空き時間を有効に使いながら毎日学べる最大4名での少人数制グループレッスンと、自分のレベルや希望にあった授業を受講できるマンツーマンのレッスンです。

東洋大学ならではの多様な海外研修

本学では、夏季、春季休暇期間中には多様な短期海外研修が開催されており、各自の目的に合ったプログラムを選んで参加し、本学部の基盤科目として単位認定を受けることができます。また、半年や一年など中期・長期の留学プログラムも充実しています。詳細は、国際教育センターのページをご覧ください。

英語特別教育科目 LEAP (Learning English for Academic Purposes)

海外留学を希望する学生を主な対象とし、留学に必要な英語力を習得することやIELTSのスコアアップを目標とした全学共通の英語特別教育科目です。英語教授法が専門の英語話者による指導のもと、Listening/Speaking、Reading/Writingの開講クラス(単位認定科目として開講)で、それぞれの焦点に合わせて学べます。また、春季、夏季休暇期間中にはTOEFL iBT®対策講座やEnglish Campも開かれています。

食環境科学部主催TGLレクチャー・シリーズ

Toyo Global Leader(TGL)養成プログラムの一環として、各学期に数回、学内外から様々な分野で活躍する講師を招聘して特別講義(TGLレクチャー)を開催しています。グローバル産業である「食」に携わる高度専門職業人になるには、多言語環境(特に日英バイリンガル環境)でのコミュニケーション力が欠かせません。そこで、本講義は使用言語を英語・日本語とすることで、多言語環境でのコミュニケーション力の効率的な向上を目指します。なお、参加者には、Toyo Global(TG)ポイント1点が付与されます。

その他国際人に必要な教養や高度な英語力を養う授業

本学部では、基盤教育科目に「English for Liberal Arts」、「英語ビジネス実務」、「文化間コミュニケーション」、「欧米の文学と文化」等の科目を設け、高度な英語力とその基盤となる異文化理解力の涵養にも力を入れています。

4年間の学び

食の専門知識と、データサイエンスを学ぶ

1~4年次までの学びを積み上げることで、多様な課題の解決をリード・サポートできる人財となるべく、食の専門的知識と実践的データサイエンス技術を学びます。多様なデータを活用し、論理的かつ実践的な分析をもって、科学的な根拠を得る能力を身につけます。
実験・実習・演習科目では、明確な学習目標を設定。1年次の目標を「食と人間行動の基礎」、2年次「食の現場を知る」、3年次「高度データ分析技術」、4年次「食の未来創造」とし、食と健康に関連する問題に対する洞察力、ディスカッション力、データ分析力を養います。また世界的な課題となる「心身の健康寿命延伸」に向けて、有用なデータを発掘・創出する能力の獲得を目指します。

学びの取り組み

社会科学・人文科学を基盤に俯瞰的視点を得る

基盤教育科目は社会科学系科目を中心としつつ、食と健康に関する理科系科目を通じて食を学際的に学びます。さらに食の歴史・文化に関する人文科学科目では温故知新の精神をもって知識を深め、食に関する俯瞰的な視座を習得。食の問題を多面的に理解した上で解決する能力を養います。
またフードシステムの今日的な課題を踏まえ、「フードシステムの高付加価値化」「フードシステムの強靭化」および「フードシステムの公平化」の実現を目的とした体系的な学びができるカリキュラムとしています。

段階的学習でデータ分析の実践的スキルを修得

実践的なフードデータサイエンティストとしての能力を身につけるため、1~4年次に設置したデータサイエンス分野を学ぶ科目では、「データ分析の基礎」「調査設計・データ前処理」「データ分析モデリング」および「AI技術・応用理論」について段階的に学習を進めます。これらの科目では、オンラインコミュニケーションとアクティブラーニングを最大限に導入します。

学内に実験設備を整備

人々の食消費行動の実際を捉える実験設備として「食料経済実験室」「官能評価実験室」「フォーカスグループ調査室」を備え、これらを活用した学習で専門的知識の応用力を身につけ、データサイエンティストとしての実践的な能力の修得を図ります。