食環境科学科

生きるを支える、次世代の食をつくる。

生体高分子化学研究室(加藤悦子 教授)

生体高分子の構造と機能相関

我々ヒトも含めた生物は、様々な生体分子を巧みに利用して生命活動を維持しています。その中でもタンパク質やデンプンなど生体高分子の原子レベルでの構造と機能の解明について核磁気共鳴などの大型装置を利用して研究を行っています。

タンパク質は動物が食べた食事を消化するとき、植物が光合成を行い成長するときなど、我々の生命を維持するために必須な物質です。本研究室では、タンパク質に関する研究として、トマトモザイクウイルスの複製にかかわるタンパク質、歯周病菌の生育に欠かせないタンパク質、糖認識タンパク質、シャムネコの毛の色があらわれる原因タンパク質などについて構造を決定し、その機能との相関解明を目指しています。

また、食品の主要高分子であるデンプンの構造解析も進めています。デンプンは、お米の硬さや柔らかさなど食品の食感と密接な関連があります。本研究室では、市販米、酒米、そして和菓子の創作に欠かせない米粉などの研究を中心に解析を行っています。そのほか、お茶、特に茶葉や茶の実のオイルの研究を開始しました。このように我々の周りには原子レベルで理解できることがたくさんあり、興味は尽きません。

この研究室を希望する方へ

結果が分かっている学生実験とは異なり、研究室での実験(研究)は、わからないことを解明・探求することが目的です。実際に実験を行う人にしかわからないことに取り組むことになります。つまり、研究室では皆さんが主役なのです。自分が動かなくては何も進みません。研究を通して「自ら考えて行動する」習慣を身に着けてほしいと思います。