INIAD(情報連携学部)では、2023年春から生成AIを学習支援の重要なツールとして導入し、英語教育にも積極的に活用しています。英文ライティングの授業では、学生がまずテーマに沿って自力でドラフトを書き、その後AIにレビュー(添削)を依頼し、フィードバックを踏まえて自分で書き直すという三段階のプロセスを重視しています。特にAIとの対話においては、プロンプト(指示文)の工夫と、疑問点を繰り返し質問し直す姿勢が大切とされ、AIの返答を単に写すだけでなく、表現の微妙なニュアンスや自分の意図に合った英文のルールを深く学ぶ機会となっています。
また、AIの活用は添削だけにとどまらず、レポートや論文といった長文作成においても、テーマのアイデア出しや構成案の検討、論理性・説得力の確認など、文章を書く前段階からアシスタントとして機能します。これにより、書き始めてから行き詰まるといった無駄を減らし、効率的に執筆を進めることが可能になります。
学生の多くは入学当初、英語への苦手意識や文章作成への不安を抱えていますが、AIをいつでも何度でも気軽に相談できる相手として活用することで、英語で自己表現する心理的ハードルが下がったと感じています。さらに、AIから得られるフィードバックはスペルや文法の訂正にとどまらず、自然な言い回しや多様な表現の提案まで含まれるため、英語力や表現の幅が広がっているとの実感も多く見られます。学生とAIがチームを組み、教員がそれを支えることで、新しい語学学習の可能性が開かれており、今後もAIの進化とともに教育効果のさらなる向上が期待されています。