みなさんが普段コンピュータだと思って使っているもの以外にも、デジカメや炊飯器など、いろいろなものの中にコンピュータが入っています。今の時代において、機械に「賢い」動作をさせるためには、コンピュータが必要不可欠です。家電製品や産業機械のように、特定目的で作られるコンピュータシステムのことを、「組込みシステム」と呼び、パソコンやスマートフォンなどの情報処理システムとは考え方が異なります。パソコンがソフトを入れ替えればさまざまな目的に使えるのに対し、組込みシステムは用途が一つで、性能を限定することによって低コストでの量産が可能です。最近では、コンピュータの応用が単なる情報処理の範囲を超えて、「実世界」に広がりつつあり、組込みシステムが注目を集めています。この根本にあるのが、「IoT (Internet of Things)」、いわゆる「モノのインターネット」の技術です。組込みコンピュータによって実現される「モノ」が、インターネットを通して情報システムと連携できるようになれば、例えばドローンによる宅配など、さまざまなサービスが実現可能になります。最終的には、全世界のあらゆるコンピュータを連携して協調動作できるようにし、「スマート」にしていこうというのが、「IoT」を研究する人たちの目指すところです。しかしながら、その実現は容易ではなく、「分散システム(複数のコンピュータが連携するシステムのこと)」には、セキュリティの問題や、パソコンなどがフリーズする「デッドロック」の問題など、特有の難しさがあります。複数のモノを正しく連携させるには、そのための理論を学ぶことが重要であり、大学での学びがとても大切になってくるのです。

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矢代 武嗣准教授情報連携学部 情報連携学科

  • 専門:コンピュータ・アーキテクチャ、ユビキタス・コンピューティング、組込みシステム
  • 掲載内容は、取材当時のものです