東洋大学の「日本語教員養成プログラム」には、日本語教師になるためのさまざまな授業が用意されています。学生たちは2カ月にわたり毎週日本語学校へ行って見学しますが、その次の段階では、外国から来た学生に日本語を教える教壇実習が控えています。今回の授業では、教壇実習の準備として位置付け、学生が実際の授業を想定して実演をします。個々の実演をクラスメイトが聴講し、アプリを使ってクラス内の評価をまとめて改善点を挙げ、最後には先生が評価し、アドバイスをするという流れで授業を進めます。学生のほとんどは日本人であり、「教える」という観点で日本語を学んだことはありません。小さな文型の違いなど、学習者の立場では気付かないことがたくさんあります。この授業では、学生たちが気付いたことをどんどん発言していくので、自分の改善点を見つけることができます。外国人に日本語を教える訓練は大変厳しく、時には授業中に悔し涙を流す学生もいるほどです。しかし、誰も他人事とは思わずにコメントをし合い、悔しい思いもみんなで乗り越えていく、そんな良い雰囲気がクラス内で生まれています。学生たちはいずれ、ネイティブの先生として大きな信頼を寄せられる存在になります。先生がこういっているのだから間違いはない、と外国の方々は信じて学んでくれます。養成を受けている今だからこそ、たくさん指摘を受け、その指摘をしっかりと胸に刻んでほしいと思います。日本に来て寂しい思いをしていたり、困っている外国人の学習者の方たちに寄り添ったりすることのできる、優しい日本語教師になってほしいと願っています。

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平畑 奈美准教授文学部 国際文化コミュニケーション学科

  • 専門:日本語教育、教師研究
  • 掲載内容は、取材当時のものです