微生物は、ばい菌なのでしょうか? みなさんは、どのような時に、どのように手を洗いますか? 研究室で手洗いの実験をしたところ、ただの水洗いより石けんで洗ったほうが、微生物が増えていることがわかりました。これは、石けんによって油分が除去され、手のしわの中から微生物が外に出てしまうからです。さらに抗菌石けんで洗うと、ほとんどの菌がいなくなりました。皮膚には「常在菌(皮膚善玉菌)」がいて、皮膚を弱酸性に保って抵抗力をつけ、潤いを保ち、肌の炎症や老化を防ぐ役割をしてくれているヒーローなのに、日常の手洗いに抗菌石けんを使うなどして、排除していませんか? 医師や看護師でなければ、常在菌まで除去する必要はないのです。微生物は身近でも活躍しています。麹カビや酵母からできる味噌やしょうゆ、日本酒、パン、納豆といった発酵食品や、乳酸菌からできるヨーグルトやチーズ、また、人間が生きることのできないような環境でも生きることのできる「極限環境微生物」が生産する酵素は、でんぷんや油脂、タンパク質を分解するため、洗剤に使われています。微生物は、現在地球上の1%しか発見されていません。微生物がまだ発見されていない物質を作っている可能性もあります。残り99%の微生物を新しく発見するためには、アイデアが必要です。微生物の性質に合わせて実験方法を考え、どんどんチャレンジしてみましょう。

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三浦 健准教授生命科学部 応用生物科学科

  • 専門:未利用バイオマス分解酵素生産菌など有用微生物の発見・応用・開発研究
  • 掲載内容は、取材当時のものです