高校時代から興味を持っていた“環境”と“微生物”を学べる2つのコースがあるため、東洋大学に入学したという生命科学部応用生物科学科の武井篤さん。当初は「普通にキャンパスライフを送っていればいい」と思っていましたが、海外留学に参加し、たくさんの刺激を受けて「いろいろなことにチャレンジしよう」と意識が変わったそうです。それからは学会での学生発表に挑戦したり、卒業研究として冷蔵室での実験を重ねたりするなど、たくさんのチャレンジを試みています。

基礎実験が多い2年間で基礎力が身に付く

高校時代に野球部全員で校舎の周囲を掃除していた時、自分たちが出したゴミを目の当たりにして「環境は人間によって汚されている」と感じました。それが「環境」に興味を持つきっかけでした。その後「微生物を利用して環境を改善させたい」という気持ちが芽生え、“環境”と“微生物”の2つのコースがあるため、学びたいことをしっかり学べると思い、東洋大学の応用生物科学科の“微生物利用コース”を選びました。入学後は1、2年生の2年間は毎日びっしりと授業があり忙しい毎日です。基礎的なことを学ぶ授業や実験が多く、基礎力がしっかり身に付いて良かったと思います。

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海外留学で得た「チャレンジする」ことの重要性

2年生の春休みには、板倉キャンパス主催のカナダ・ビクトリア州での短期語学留学に参加しました。小学生の頃から英語を習っていて、中学・高校でも6年間英語を学んでいますが「英語を長い期間、学んでいるのに、なぜ流暢に話せないんだろう」とずっと考えていました。そこで、大学在学中に留学のチャンスがあったら、ぜひ行ってみたいという思いがあったのです。現地の大学で履修した授業は単位として認定されることも魅力でした。

わずか1カ月の留学体験ながらも、英語力のレベルアップにつながったことはもちろんですが、何より変わったのは自分の意識です。「いろいろなことに積極的にチャレンジしよう」と考えるようになりました。振り返ってみるとそれまでは、「“普通に”大学の授業をこなして、“普通に”キャンパスライフを楽しんでいればいい」と思っていましたから。

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学会での学生発表にも挑戦し、国家試験にも合格

3年生の夏からは、下水や産業廃水の処理技術研究を行う角野立夫先生の環境工学研究室に所属しました。下水処理場の活性汚泥法の装置を企画したという角野先生の実績に魅力を感じて入室を希望したのです。また、環境工学研究室は学部生でも学会に参加できると聞いていたこともあり「在学中に学会を経験し、学生発表をしたい」と思いました。

そして、ついに学会発表の機会を得て、学生賞を受賞することができました。浄水チームの実績を1つ残すことができ、嬉しく思います。ただ、他大学の先生からの質問に答えられない部分もあり「まだまだ知識が足りない。勉強してきたつもりだったけど悔しい」と、発表後にメンバーで話し合いました。勉強不足を身に沁みて実感するという経験ができたのも、学会発表を経験したからこそ。今後はこの経験を生かして、さらに知識を深めていきたいと思います。

現在は自分の研究テーマである「担体投入型BAC処理での低温硝化処理性能」について冷蔵室で実験を重ね、卒業論文としてまとめています。また、国家試験にも挑戦し、公害防止管理者水質第4種を取得することができました。環境工学研究室は代々、水処理関連企業への就職に強く、私も希望していた浄化槽メーカーから内定をいただくことができました。就職後は営業として努力を重ね、“技術力を持った営業担当”になることを目指していきます。

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武井 篤さん生命科学部 応用生物科学科 4年

  • 内定先:株式会社ダイキアクシス
  • 所属ゼミナール:環境工学研究室
  • 出身校:群馬県立前橋東高等学校
  • 掲載内容は、取材当時のものです