コンピュータや家電、自動車、人工衛星などあらゆる工業製品に活用され、発展の著しい電気電子情報技術。電気電子情報工学科では、電気・電子・情報の3分野を系統的に学習し、技術者に必要な知識と技術を身につける。モノづくりが好きで、回路に興味を持つ島崎裕美さんは「エンジニアとして生きていきたい」という夢を抱き、研究に熱心に取り組んでいる。

あらゆる工業製品に生きる技術

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中学校の技術科の授業で、音でライトがつくランタンを作ったことがあります。ハンダごての扱いが楽しかったこともあり、どちらかといえば、家庭科より技術の方が好きでした。高校では物理の勉強が楽しくなり、力学、熱、波、電磁気などに興味がわきました。そして、高校のキャリア教育を通じて半導体について学び、これから発展する分野だと興味を持ったのが、電気電子情報工学科を志望したきっかけです。

正直言えば、私にとって、電気電子情報工学科の勉強はとても難しいです。1、2年生では「電気」「電子」「情報」の3分野の基礎をしっかりと学びます。電気分野では高電圧や発電・変電のこと、進路によっては電気自動車についても学びます。電子分野は電子デバイスや携帯電話、電子回路、集積回路について学びます。情報分野はプログラミングなどで、コンピュータのシステムを作るシステムエンジニア(SE)を志望する学生には必須です。いずれの分野とも、あらゆる工業製品やシステムに活用されている技術なので、卒業生の就職先はさまざまです。幅広い分野で活躍している先輩たちに続こうと、私もがんばっています。

回路は機械の頭脳

電気電子情報工学科で学ぶ3分野のうち、私は「電子」が好きです。4年生になって配属された「回路システム研究室」では現在、新しい電子回路の研究をしています。たとえば、有機ELやLEDを用いた照明システムや、オーディオ回路の新しい方式の開発や性能向上を図るのです。3Dのディスプレイを使って視覚能力を鍛えるシステムを研究した先輩もいます。

回路とは機械の頭脳です。同じ機械でも回路を改善すれば、どんどん高性能になっていきます。たとえば同じ家電でも、回路を改善するだけで、大幅に消費電力を低減することもできるのです。まだ研究室に配属されたばかりなので、深いところまで理解しきれてはいませんが、優れた回路を創り出せたときには、きっと達成感を味わえるのだと思います。

エンジニアとして生きていきたい

電気電子情報工学科では、必要な単位を取ることで、いろいろな資格・免許を取得でき、試験科目の免除も得られます。電気主任技術者や技術士、電気通信主任技術者など、就職に役立つ資格ばかりです。中学の数学と理科、高校の数学と理科と工業の教員免許を取得することもできます。

私はこの学科に入ったからには、開発系の仕事をしたいと考えています。エンジニアとしてモノづくりの世界で生きていきたいですね。モノを作りだす時には、さまざまな工程がありますね。商品を開発したり、生産ラインを考えたりする仕事にずっと携わっていきたいです。

この部品がどうしたらそのように動くのか、ということを考えることに今、とても夢中です。モノづくりは、本当に楽しくて、たぶん性にあっているのでしょうね。私は音響系メーカーへの就職を考えて、今、就職活動に力を入れています。このような回路を作ったら、このように動く。原因と結果を見据えたモノづくりができるエンジニアになりたいと思います。

島崎裕美さん理工学部 電気電子情報工学科 4年

  • 所属研究室:回路システム研究室(佐野勇司研究室)
  • 埼玉県立熊谷女子高等学校出身

  • 掲載内容は、取材当時のものです