生物資源学科

植物と微生物に学び、未来をつくる

安全で豊かな生活に欠かせない「生物資源」である植物と微生物について深く学び、それらの活用について先端研究を行います。人口増加による食糧不足や環境・生態系への影響が、大きな問題になっています。植物や微生物の生命現象を理解し、それらを活用することで健康医療問題や地球規模の諸問題の解決に貢献する人財を育成します。

学問の魅力

食料、医療品、燃料などの供給源となる「生物資源」を、人類はさまざまな工夫を重ねて利用してきました。一方で、人口増加は地球規模での食糧不足や、環境の悪化、生態系の破壊を引き起こしています。人類の持続的発展には「生物資源」、特に植物や微生物のさらなる活用が欠かせません。本学科では、幅広い教養と倫理観を基盤とした学びを展開。植物・微生物の生命現象を理解し、それらの持続的活用について考え、さらには人類の健康福祉や、生命を支える地球環境にも目を向けた総合的探求に取り組むことができます。

学び方

環境に調和し、持続可能な生物資源の活用を目指す

植物および微生物に関する総合的な知識と、柔軟な思考による問題解決能力を身につけます。またこれらの「生物資源」を活用して、人類が直面する課題の解決と持続可能な発展に貢献する能力を養います。さらに、生命科学科や生体医工学科で開講される動物や環境、「ものづくり」に関する専門科目や大学院開講科目の一部など最先端の専門知識を学ぶことができます。

2年次秋学期から展開する2つのコース

植物科学コース……植物の形づくりとそれを制御する遺伝子やタンパク質、植物ホルモン、さらには環境変化や病害虫に対する応答機構など、植物に関する幅広い専門分野を学びます。また、研究の根幹となる遺伝子やタンパク質、植物成分などの分析技術を修得します。卒業後の進路として、食品系(食品開発、食品分析、食品製造、品質管理等)、農業系(農薬、種苗、農業資材等)、化学系(製薬、農薬、医療、香粧品等)などの分野が挙げられます。
微生物科学コース……地球上のさまざまな環境で生育する微生物種を対象とした幅広い専門分野を学びます。極限環境微生物について深く学び、専門的に研究できるカリキュラムは、本学科を際立って特徴的なものにしています。卒業後の進路として、食品系(食品開発、食品製造、品質管理等、特に発酵・醸造系)、化学系(製薬、化粧品、医療等)、環境系(環境浄化等)など分野が挙げられます。

グローバル化への対応

コミュニケーション能力を、課題解決に活かす

さまざまな可能性を持つ「生物資源」の開発、あるいは関連領域での課題解決は、国際的な連携・協力が必要とされる取り組みです。本学科では、生態系の基盤をなす植物と微生物という「生物資源」についての総合的な学びを通じて国際的な視野やコミュニケーション能力を身につけます。研究・教育環境の充実を図り、国際的課題を解決する能力を有するグローバル人財を育成します。

4年間の学び

生物資源の可能性を広げる、植物と微生物を学ぶ

植物や微生物は、周りの環境に柔軟に順応する能力だけでなく、周りの環境を変える能力も持っています。多くの可能性を持つこれらの「生物資源」を最大限活用するために、本学科では植物や微生物の機能や利用法を学ぶ科目が充実しており、カリキュラムの大きな特徴となっています。
各分野の学習と研究の基礎となる知識とスキルを身につけるため、1〜2年次には「生物資源学基礎科目群」を設置しています。また2年次秋学期からは、植物科学コース、微生物科学コースに分かれ、それぞれの分野について専門的な知識を修得し、3年秋学期からの研究活動に備えます。
生命科学部の各学科との連携を進め、生命科学科と生体医工学科の専門基礎科目群も履修可能としています。生命科学部全学科の教員による「先進科学創成論」、外部の大学・研究機関より講師を招聘し幅広い知識を得るための「未来共創概論」では、各分野における先端的な研究に触れることができます。
また学問領域の専門知識を生かした進路を広げるため、化粧品や香料関連の工場見学、インターンシップなど含むキャリア支援を行っています。

学びの取り組み

生命倫理と哲学、関連科学の学習

生命科学に関わるすべての学習と研究、あるいは実社会での試みにおいて基盤となるべき生命倫理と哲学を、基盤教育科目として学びます。さらに、生物学や化学、物理学、生化学、分子生物学など基礎的な学問を学び、発展的学問領域への学習へとつなげます。専門的な学問領域としては、生物資源学、植物科学、微生物科学をはじめ、植物バイオテクノロジー、植物遺伝育種学、極限環境微生物学、微生物生理学などが挙げられます。

学問領域の垣根を越える

幅広い生命科学分野の知識を学ぶことで、専門分野だけでなく、さまざまな異分野でも応用できる俯瞰的な能力を培います。2年次までの「学部共通基礎科目群」では、学科の専門領域について、総合的な理解を深めます。その上で、専門コース(植物科学コース/微生物科学コース)での学習を展開し、知識の深化と、専門的先端技術の習得を図ります。
こうした学びの成果は、生物資源分野、さらには生命科学分野についての専門的知識やスキルにとどまりません。課題発見能力や論理的思考力、さらには自らの考えを適切に表現する能力にもつながり、めまぐるしく変化する社会でも活用できる力となるはずです。