総合情報学科 システム情報専攻

安らぎあふれる社会を、デジタルでつくる。

分散システム研究室(上原稔 教授)

再生可能クラウド

持続可能性は現代社会の重要な目標の一つです。また、クラウドは今日のITサービスを支えるインフラです。クラウドでも持続可能性は重要なテーマの一つです。例えば、クラウドではデータセンターの消費電力が大きいことが問題となっています。現在、多くのデータセンターが再生可能エネルギーで稼働しています。また、クラウドでは、数万台のサーバを自動運用することが必要です。これほどの台数になると常に一部が故障します。そこで、障害回復の自動化が重要になります。このような問題を解決するために、我々は再生可能クラウドを提唱し、開発しています。
我々は、再生可能システムを持続的に進化するシステムと定義しています。進化しなければ自己修復、進化すれば環境に適応します。我々は、再生可能システムを実現するために代謝アーキテクチャを提唱しています。代謝アーキテクチャとは、人体の新陳代謝を模倣し、システム自身が構成要素を能動的に交換する方式です。代謝アーキテクチャは、自身を定期検診し、異常を検知すると、当該部品を強制的かつ自動的に交換します。これは人体の怪我の治療に相当します。また、故障していなくても定期的により良い部品に交換します。これは進化に相当します。
我々は再生可能クラウドをARM SBC(Single Board Computer)で試作しています。ARMは対消費電力性能に優れたプロセッサです。スマホに採用され、年々性能が増しています。部品を交換する際には、旧部品を切り離したり、心部品を再接続したりと、ネットワークを再構成します。また、部品交換にロボットを使いますが、最初から交換しやすいように部品を設計します。データセンター全体を再生可能とすることで、省スペース、省力化が実現できます。

この研究室を希望する方へ

社会問題を意識しましょう
例示したテーマ以外にもクラウド、IoT、Webなど幅広い分野の研究を行なっています。自分のテーマは自分で探すことを推奨します。そのためには、常に未来の社会を想像して、問題の本質を考察しましょう。社会問題の全てを技術で解決できるわけではありませんが、技術で解決できるなら理想的です。
ITの本質は自動化です。
人口減少社会では労働生産性の向上が重要な課題です。AIが注目される理由も自動化が目的です。しかし、未熟なAIより熟練の技術者に頼ることが多くあります。システムを統合するプログラミング技術を学びましょう。
大学院を含めてキャリアデザインしましょう。
人口減少とともに長寿化が進むと言われています。息の長い技能を習得することが重要です。理論など基礎的知識・技能ほど応用の裾野が広く、長く役立ちます。卒業研究でものづくりを学び、大学院で科学的な問題解決法を学ぶことを推奨します。