総合情報学科 メディア情報専攻

創る、伝える、表現する。
人と社会を豊かにできるクリエイターへ。

総合情報学部で取り組むのは、AIやデータサイエンスを活用して「心豊かな生活」「心身の健やかさ」「安全・安心・快適な社会」の達成を目指す文理融合の学び。メディア情報専攻では特に「心豊かな生活」の達成に向け、コンテンツ制作に携わる仕事やクリエイターを志向する人に求められる専門的な知識とスキルを修得します。文系(アート)・理系(サイエンス)・制作(デザイン)に広がる最先端のメディアの学びを体感してください。

学問の魅力

コンテンツ制作を通じて、AIとデータサイエンスの活用方法を考える

Web3とよばれる現在に対応できるメディアの専門性、特に、ゲームやCGなどの制作スキルを磨き、VRやARなどのXR技術について学びながら、コンテンツ制作に活用されるAIとデータサイエンスについて理解を深めます。また情報を広く伝えるメディア(媒体)の様々なかたちや役割を知り、メディアのあり方を考える・デザインする、表現する方法を学びます。
コンテンツの制作からメディアを通した発信までを学ぶ多くの実践を通して、人々の心を豊かにするコンテンツ(情報)、あるいはメディア(情報を伝える媒体)のあり方を考えてみましょう。

学び方

多様なコンテンツの制作スキルを身につける

映像、2Dデザイン、3Dデザイン、コンピュータグラフィックス、アニメーション、Webデザイン、マルチメディアシミュレーションといったさまざまなコンテンツを制作する理論と技法を学びます。今日、メディア分野に必要なものはコンピュータのスキルだけではありません。文系的な知識、社会学的な技法、サブカルチャーへの関心など幅広い感性が求められます。コンピュータを使用したさまざまな作品の制作を実践し、それを発信するための分析力、人の心と社会を豊かにするコンテンツを制作・発信するためのスキルを身につけます。

心を豊かにするリッチメディアを創造する

最新のCG・VR技術を使用したシステムの構築方法や、AIを使った多様なコンテンツの自動生成手法を学ぶことで、人々の心と社会を豊かにするコンテンツと、機能的なシステムをつくり出す力を身につけます。またメディアの多様な役割や影響力を理解するとともに、優れたコンテンツを作成する方法を身につけるための学びを展開します。

グローバル化への対応

日常的な国際交流から、長期海外留学の支援制度まで

1年次から4年次まで継続的に英語が学べる科目をはじめ、海外の異文化を知るための科目、英語のみで行われる授業などを通して、グローバルな素養を培います。
本学部が独自に設置する「総合情報学部SGUルーム」では外国語学習のサポートや学習・留学相談など多岐にわたる支援を行います。英語だけでなく、中国語学習講座を定期的に開催するなど、多彩な外国語学習を展開。海外からの留学生と日本人学生が交流する場ともなっています。
また、短期の海外インターンシップや海外研修も充実しており、長期海外留学をする場合も、留学期間中の成績(単位取得状況)を反映して4年間で卒業できるよう配慮されています。

4年間の学び

コンテンツ制作の基礎から学び、より高度な制作へ

文系・理系・デザイン系の枠にとらわれず、メディア分野に関わる幅広い学び・研究・実践に取り組みます。
1、2年次はメディア理解やコンテンツ制作の基本的な知識と技術を身につけるとともに、メディア論、デザイン論やプログラミングの基礎、情報リテラシーなど基盤となる知識を学びます。3年次以降は所属する研究室を選択し、各分野での専門的な知識を習得、より高度なメディア理解やコンテンツ制作の手法を実践的に学びます。
各研究室は文系・理系・デザイン系がバランスよく配置され、それぞれの興味・関心に応じて選ぶことができます。
4年間の学びを通して、目的や対象に応じて適切なメディア(媒体・手段)を選択し、AIやCG・VR技術を効果的に用いて、より魅力的なコンテンツを制作・発信する方法を習得します。

中心となる4つの領域

各メディアでのコンテンツ制作のスキルを高めるため、4つの領域を中心に学びます。

1. CGサイエンス領域(16単位)
3次元コンピュータグラフィックスを使用したコンテンツを制作。仮想現実空間に表示し、ユーザの操作に応じてリアルタイムに応答するシステムを構築する。
2. AIシミュレーション領域(16単位)
深層ニューラルネットワークを使用して、イラストや楽曲や映像といった多様なコンテンツを制作することができる生成系AIシステムを構築する。
3. メディア文化領域(24単位)
メディア文化を創造する営みの本質を捉えるとともに、現代社会におけるメディアの多様な役割と影響力を理解し、心豊かな生活の礎となる文化を創造する。
4. 表現科学領域(24単位)
グラフィックデザインが果たす役割を理解し、コンピュータを使用した視覚的なコンテンツ制作等の表現するためサイエンスを身につける。

卒業論文のテーマ例

  • 3次元コンテンツ作成のための点群データの利活用
  • 中国の文化的背景におけるネットゲーム消費心理の研究
  • 中世の荘園をもとにしたシミュレーションゲームの企画と製作
  • アニメ産業の成長とその影響
  • 妖怪の移り変わりとメディアの関係性
  • スキンケア成分説明アプリの開発
  • 機械学習を用いたNBAの結果予想に関する研究
  • ストラディヴァリウスの大規模振動解析
  • 日本説話文学の形成史
  • “炎上”と共存する現代社会の考察
  • 承認欲求と現代人
  • VRを利用した日本文化の再現空間の構築と研究
  • 水墨山水画の3D再現
  • 写真測量による現地建築物を3Dモデリング化
  • ChatGPTと3DCGモデルを組み合わせた自然な対話インターフェースの研究
  • 和文化とモーショングラフィックス
  • モーションキャプチャーを用いて動作する3DCGアバターの制作
  • マウス速度自動調節ソフトウェア
  • 画像認識によるエアソフトガン検索アプリの開発
  • フィギュアスケート観戦支援サイトの開発
  • OepenPoseを用いた剣道における素振りのフォームを改善するシステム開発
  • 映画のキスシーンの印象に関する研究
  • ヴァーチャルタギングARアプリケーションの開発
  • 大工道具カンナを体感するスマートフォンアプリケーションの開発
  • 書道「散らし書き」用テキストエディタの開発
  • 深層ニューラルネットワークを用いた人物動作の生成
  • インターネット上の暴言・誹謗中傷についての考察とその対処
  • 初心者向けFPSトレーニングシステムの制作
  • 三人称シューティングゲームの制作
  • ホラーシューティングゲームの制作
  • 謎解き型和風ホラーゲームの制作
  • 反応速度と操作精度を重視した格闘ゲームの制作
  • 敵AIとの戦闘を重視したARPG制作

(2023年度卒業研究・制作のテーマより)

資格取得支援

学修の成果を確認し客観的な評価を得るため、関連する資格の取得を支援しています。特にメディア情報専攻において、取得を目指せる資格は次の通りです。
マルチメディア検定/CGクリエイター検定/CGエンジニア検定/Webデザイナー検定/ウェブデザイン技能検定/画像処理エンジニア検定/CAD利用技術者試験

学びの取り組み

文理融合の多様性と高い専門性

総合情報学科のカリキュラムの特徴は、文理融合による学びの多様さと、各分野の高度な研究にも発展する専門性の高さにあります。その中でもメディア情報学専攻は、特に文理融合が進んでいる領域です。文系で入学した学生が理系で卒業したり、理系で入学した学生が文系・デザイン系として卒業することは珍しくありません。もちろん、メディアというキーワードを通して、文理双方を身につけるハイブリット人材になることもあります。文系志向の学生もデータサイエンスやAIを中心とした理系分野への関心を広げることができ、興味・関心に関連する分野・テーマについて基礎から応用、実践へとつなげて専門性を高めることができます。
さらに各学問分野での学びは、大学での成果をまとめる卒業研究・論文から、より高度な大学院での研究にまで発展させることが可能です。

教員による、ていねいな支援

メディア情報専攻には、理系教員(研究室)・文系教員(研究室)・デザイン系教員(研究室)がバランスよく配置されています。必修科目を通し、それぞれの専門を学び合う、重ねて学べるカルキュラムになっているので、それぞれの専門性がバラバラになっているわけではなく、お互いが特徴を生かして、ハイブリッドな教育に取り組んでいることが特徴です。もちろん、3年次からは各研究室に分かれますので、より高度で専門的な学びが可能です。専門分野を究めるには、適切なガイドが必要です。各分野での実績と経験をもつ教員が、一人ひとりに適確でていねいな支援を行うところも特長です。授業以外の時間にも、目標設定から達成までしっかりサポート。多様な関心とそれに応じた学びを実現するため、それぞれの特性や目標に沿った指導・支援を行っています。

特徴的な科目

3Dグラフィックス基礎
各種メディアに対応した基礎デザイン理論と、それらを発展させた先端デザイン理論について理解を深める。各メディアに適したデザインを行うことによって、情報やデータをより効果的に視覚伝達できるようになることを目指す。グラフィックデザインや映像デザインにおける色彩の特徴や活用方法を理解したうえで、3DCGを用いたコンピューターグラフィックスデザインについて学ぶ。
メディアのためのAI基礎
⼈⼯知能(AI)技術が様々な分野で用いられるようになり、画像・⾳声・映像などのメディア情報を機械的に認識したり、⽣成したりする技術が急速に発展している。この科目では「画像認識技術」「ニューラルネットワーク」「深層ニューラルネットワークを使⽤した画像⽣成モデル」といったテーマから、AI技術の基礎的内容を学び、メディア情報を認識・⽣成する⼿法について理解を深める。
スマートフォンアプリ制作基礎
スマートフォンアプリの制作について、その基礎から応⽤、実践までの過程に触れ、最先端のスマートフォンアプリ制作技術について学ぶ。プラットフォーム(OS)ごとのアプリの特徴を学び、開発(制作)環境を整えて、実際にアプリ開発に挑戦する。入門的な内容から段階的に学ぶことで開発スキルを身につけるとともに、アプリ制作と社会や法律との関わりについても学ぶ。