グラフ理論やファジィ理論をベースとして、言語モデルなどのAI技術を取り入れ、対象をモデル化し、関係性の可視化、効果的な分析手法やシステムの提案を進めています。グラフ理論を用いると、物や状態といった対象同士の結びつきを数学の理論として視覚的にも表現できます。また、ファジィ理論は、人間の判断や行動に関するあいまいさを定量的に扱う科学です。人間の思考や判断などの知的情報を対象とする分野で基盤として働き、現在のコンピュータによる知能の実現やシステムでも用いられている理論となります。
研究対象としては様々なものがありますが、例としてISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)や ITSMS(ITサービスマネジメントシステム)の分析があります。業務とマネジメントシステム運用を有機的に結びつけ、実態把握と可視化、業務効率化を含む継続的改善に有用な手法を実現します。データ間の関係性を、機械学習を取り入れて定義し、ファジィグラフとして可視化を行います。業務とマネジメントシステム関連要素と構成員の関係性を視覚的に捉えることができ、業務改善や意思決定に有益な情報を提供できます。
ファジィグラフ描画アルゴリズムやグラフ表現方法,グラフモデリング,自然言語処理、統計的手法による解析などを扱い、有用なシステムの研究開発に取り組んでおり、上述したマネジメントシステム運用は1つの対象分野となります。その他にも、情報検索や可視化、グラフモデルに対する効率的なアルゴリズム、意思決定や推薦システム、ソシオメトリー分析、スポーツ、eスポーツ、情報教育などの研究にも取り組んできました。研究室で取り込んできた研究対象において、発展させるようなテーマはもちろん、それらに関連していること、応用して取り組めるものだけでなく、新しい分野や画期的な方法への挑戦も行っております。