知能数理科学研究室(塩野康徳 教授)

グラフ理論やファジィ理論をベースとした分析、可視化、応用システムの研究開発

グラフ理論やファジィ理論をベースとして、言語モデルなどのAI技術を取り入れ、対象をモデル化し、関係性の可視化、効果的な分析手法やシステムの提案を進めています。グラフ理論を用いると、物や状態といった対象同士の結びつきを数学の理論として視覚的にも表現できます。また、ファジィ理論は、人間の判断や行動に関するあいまいさを定量的に扱う科学です。人間の思考や判断などの知的情報を対象とする分野で基盤として働き、現在のコンピュータによる知能の実現やシステムでも用いられている理論となります。

研究対象としては様々なものがありますが、例としてISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)や ITSMS(ITサービスマネジメントシステム)の分析があります。業務とマネジメントシステム運用を有機的に結びつけ、実態把握と可視化、業務効率化を含む継続的改善に有用な手法を実現します。データ間の関係性を、機械学習を取り入れて定義し、ファジィグラフとして可視化を行います。業務とマネジメントシステム関連要素と構成員の関係性を視覚的に捉えることができ、業務改善や意思決定に有益な情報を提供できます。

ファジィグラフ描画アルゴリズムやグラフ表現方法,グラフモデリング,自然言語処理、統計的手法による解析などを扱い、有用なシステムの研究開発に取り組んでおり、上述したマネジメントシステム運用は1つの対象分野となります。その他にも、情報検索や可視化、グラフモデルに対する効率的なアルゴリズム、意思決定や推薦システム、ソシオメトリー分析、スポーツ、eスポーツ、情報教育などの研究にも取り組んできました。研究室で取り込んできた研究対象において、発展させるようなテーマはもちろん、それらに関連していること、応用して取り組めるものだけでなく、新しい分野や画期的な方法への挑戦も行っております。

この研究室を希望する方へ

研究室配属時点で得意なことや興味のあることはさらに伸ばし、自信のないことや今後チャレンジすることは卒業時に自信を持って取り組んできたと言えるようになってほしいです。AIの活用が一般的に求められるようになり、そうした新しい技術や社会変化にも対応できるように学生を指導していきたいと考えています。そのためにプログラミング言語やツールを用いて理論を学び、能力を磨きます。プログラミングや数学が苦手で成果がうまく得られないことなどがあるかもしれませんが、真摯に向き合い取り組んでいくことが重要です。わからないことなどがあれば研究室のゼミで議論し、一緒に考えていくこともあります。研究室の活動を通して、研究で必要な理論やAI技術の考え方や適用技術の修得はもちろん、様々なことを経験し、自分の人生の中で有意義なものとしてください。研究対象やアプローチは様々、そこには面白さがあります。共にそれを考え、自分自身の可能性も広げていきましょう。

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