総合情報学科 システム情報専攻

安らぎあふれる社会を、デジタルでつくる。

統計解析研究室(石村光資郎 准教授)

統計解析の研究とその応用

調査や研究、実験には統計処理が欠かせません。統計というと数学とか計算とか理系というイメージを持つ方が多いかもしれませんが、今や文系の半分も統計でできているといっても過言ではありません。特に文系の花形である心理学は統計必須です。逆に統計ができるとどんな分野でも活躍できるということでもあります。統計の必要とされない分野はほとんどありませんので、統計をしっかりやっておけばどんなことにも対応できます。そうはいっても計算が苦手だからやりたくないと思っている方もいるでしょうが、現在、統計処理を人間の手計算で行うことは皆無です。勉強の段階ではある程度、手計算で学ぶことは大切ですが、現場においてそのようなことを行っている人は誰もいません。ですので、計算が苦手な文系の方もパソコンが使えれば、もっと言うとマウスでボタンを押すことができれば統計処理ができます。
統計解析研究室では、特に分野を限定せず統計処理が求められればどんなことにも対応していこうというスタンスです。統計処理には実に様々な手法が用意されているので、様々な事例に対してどのように統計処理をしていけばよいかを研究しています。アンケート調査に対しては、比率の検定からグループ間の違いを調べることができます。また、共通因子を取り出す因子分析や新しい物差しを作り出す主成分分析を提案することで、統計処理を求めている調査研究者に新しい知見を提供できます。原因と結果の関係を知りたい場合は、重回帰分析がよいでしょう。完全な因果関係を判明させることができる訳ではありませんが、思いもよらない原因が見つかるかもしれません。データに対して、グループ分けをしたい場合は、判別分析やクラスター分析を行ってみましょう。新しいデータが得られたときに、それがどっちのグループに入るかどうか選別できます。
未知のデータに直面したときも、全容は分からないにせよ統計解析は何かしかの道筋をつけてくれるに違いありません。

この研究室を希望する方へ

色々なことに興味がある方を望んでいます。何でこうなっているのか知りたいという好奇心がなければ、統計解析を行うモチベーションにつながらないからです。実のところ、統計は計算する学問ではなくて解釈する学問です。大変難しい計算は多々ありますが、それらは計算機がすることなので人間の仕事ではありません。問題なのは出力結果が何を意味しているかを解釈することです。計算は機械の仕事なので誰がやっても同じ結果になります。ところが、その解釈となると話は別です。人によって様々な解釈があり、どれか正解というものがないこともしばしばです。その意味では非常に文系的であると思います。計算が苦手でも統計はできます。逆に計算はできても世の中の様々なことに興味がない人は統計に向いていません。先入観をもたず、好奇心の旺盛な方をお待ちしております。