心理とスポーツとIT研究室(石井隆之 講師)

作業検査(内田クレペリン検査)を用いた人間理解とメンタルヘルスへの活用

内田クレペリン検査は、開発から100年を超える日本オリジナルの心理検査です。一桁の足し算を繰り返すという単純な作業によって能力と性格や行動面の特徴を同時に測ることができるユニークな検査といえます。この検査によって得られる情報は、産業界をはじめ、教育、医療、スポーツといった様々な場面で活用されています。

このような多岐にわたる場面で活用されている内田クレペリン検査ですが、検査結果から詳細な情報を得るには判定技術を習得した「人」の目視による主観的判定と呼ばれる方法が主となり、誰もが検査結果を活用するにはハードルが高い状況も見受けられます。そこで、この研究室では、作業量データについて画像解析やAIといったIT技術を活用し、内田クレペリン検査の結果を客観的に把握することで判定を自動化する仕組みについて研究しています。

さらに、主観的判定も含めて内田クレペリン検査の結果からアスリートのパフォーマンスや性格・行動特性を把握することで、コーチングやコンディショニング、メンタルトレーニングなどスポーツ場面に展開していく方法についても探求していきます。

また、内田クレペリン検査に関する研究だけではなく、自他尊重のコミュニケーションである「アサーション」についても研究していく予定です。

アサーションは自分の気持ちを正直に、率直に、その場の状況に適切に表現していくコミュニケーションのことで「自分らしい」自己表現といえます。相手のことを気にしすぎてしまい自分の思いを言えない。その反対に、自分の言い分を通したくて、ついきつく言ってしまう。相手がいるからこそ難しくなりがちなコミュニケーションのありかたを変えていくきっかけとなるアサーションは多様性が叫ばれる現代において注目を集めています。

このようなアサーションがスポーツ、学生生活、さらには社会においてどのような効果をもたらすかについても探っていきたいと考えています。

この研究室を希望する方へ

心理学が取り扱うテーマは非常に多岐にわたります。テーマはまだはっきりイメージできていなくても、人の「心」に興味がある学生を歓迎します。テーマ探しも含めて、一緒に「人」の理解を深めていきましょう。

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