わざわざ病院に行くことなく自宅で簡単に健康チェックができれば、気軽に自分の健康状態を確認することができます。そこで、装置が不要で、結果も一目でわかるよう、検査結果によって色が変わる検査方法の開発が進められています。
例えば、欠乏すると貧血などを引き起こし、過剰になるとさまざまな疾患を引き起こす「鉄イオン」の量を調べる方法。鉄イオンが結合した時だけ、赤色から青色に変化する薬品を使います。また、過剰になると尿路結石を引き起こす恐れのある「シュウ酸」の量を調べるには、薬品に予め結合させておいた物質が、シュウ酸と結合して薬品から離れることで、薬品の色が変わることを利用し測定します。さらに、増殖が活発な細胞内で量が増える「ポリアミン」を利用し、人体で最も増殖が盛んながん細胞を測定することもできます。
今後、測定可能な検査物質がさらに増え、目視で健康チェックできる項目が増加していけば、自宅での健康管理や病気予防に役立てることができるでしょう。

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福島 康正教授理工学部 応用化学科

  • 専門:複合化学、合成化学・高分子化学
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