現代社会への理解を深め、そこにある問題を解決するための広い視野を養います。社会学の基礎理論をはじめ、環境、地域、労働、グローバル化、家族、教育、地理などさまざま視点から学びを深めます。社会の出来事に興味と疑問を持ち、問題を発見し、その解決に向けて努力できる市民としての成長を目指します。
社会課題に挑む、社会学的想像力をもつ。
学問の魅力
『世界への理解を深め、議論する力を培う』
混沌とした現代社会を的確に把握し、問題を解決するのは容易ではありません。だからこそ、多角的な視点で、社会現象や身のまわりの出来事を客観的に分析する力や方法を身につける必要があります。それらを提供してくれるのが「社会学」です。
社会学を学ぶことで、私たちが生活する世界への理解が深まるとともに、説得力のある言葉で有効な議論が展開できるようになります。
学びのメソッド

1.「5つの流れ」で社会学をスキルとして使いこなす:独自カリキュラム
本学科のカリキュラムには、大きく分けて5つの流れがあります。
- 実行力と発信力を養う……1~4年次まで、本学科の専任教員が担当するゼミに所属して学びます。4年次には、自らの問題関心に基づいて研究に取り組み、卒業論文を完成させます。現代社会の中で主体的に行動し、他者との協働を通じて社会に貢献できる能力を養っていきます。
- 理論的思考力を鍛える……必修科目と学科専門科目を通じて、社会学の諸学説を理解し、現代社会のメカニズムを理論的にとらえる視座を身につけていきます。3年次の「社会調査および実習」では、理論研究を実践する力を身につけることができます。
- 社会調査能力を獲得する……「社会調査入門」「社会とデータ」「社会統計学」「質的調査法」などの科目を通じて、高度な調査分析能力を獲得します。そして3年次の「社会調査および実習」、さらに4年次の「社会学ゼミナールIV」において習得した方法論を実践していきます。
- 現代社会に対する理解と洞察力を養う……学科専門科目を通じて、家族、教育、労働、都市、地域、地理、環境、犯罪、自然、福祉、文化、グローバリゼーションといった多種多様な社会現象に対する理解を深め、さまざまな問題によって苦境に立たされている人々に共感を持って寄り添いながら、現代社会を領域横断的にとらえる力を身につけていきます。
- グローバルな教養を身につける……語学を含む基盤教育科目を通じて、グローバル化した現代社会を生きるにふさわしい幅広い教養を身につけていきます。
2.主体的に学び、調べ、その成果を発信する:専門講義とゼミナール
社会学を軸にしながら、周辺分野を学べる多彩な科目を学習し、さまざまな研究に触れます。そして家族、地域、教育、労働などの身近な社会問題から、社会の歴史や構造、地理学的な問題などへと視野を広げていきます。学びを重ねながら、環境や社会と個人の関係が抱える問題について自ら調査し、グローバルな視野をもって徹底的に考え抜く力を身につけます。
1年次から4年次まで演習科目(ゼミナールI~IV)が必修科目として設置され、最新の研究成果に直接触れながら、自らの興味を広げて学ぶ場となっています。多彩な科目で視野を広げた後に、4年次には自らの研究対象にフォーカスを当て、卒業論文に取り組みます。
社会学の研究対象は多岐にわたります。能動的、自主的に自分を高めたい人、社会的共生への興味と関心を持つ人の期待に応えます。
3.アカデミック・スキルと英語力を養う「バイリンガル・テキスト」
1年次の必修科目「社会学ゼミナールⅠ」(基礎ゼミ)では、大学で学ぶ上で必要となるアカデミック・スキル(※)を習得します。
- アカデミック・スキルとは… 図書館やデータベースを活用して学術文献や各種のデータを収集するスキルや、学術的な議論や発表をするスキル、そしてレポートや論文を書くスキルなどが含まれます。
社会学ゼミナールⅠで使用するのは、「日本語 - 英語」の2言語で構成された、学科オリジナルの「バイリンガル・テキスト」です。専門的な内容を英語で学ぶ基礎づくりが、英語が苦手な新入生でも無理なく進められる仕組みになっています。さらにアカデミックな英語力の向上を希望する場合は、1〜2年次に英語で行われるゼミで学ぶことも可能です。
4.四年間の学びを完成させる、卒業論文
学科で学んだことの集大成として、4年次には全員が卒業論文に取り組みます。卒業論文を完成させる過程で、自分でものを考え、自らの言葉で意見を表明できるスキルの習得を目指します。
「教育課程表」には、本学科が設置している科目を掲載しています。「カリキュラムマップ」では各科目をテーマごとに分類し、それぞれの科目がどのように関わり、つながっているかを紹介しています。
卒業論文のテーマ例
【地域社会学領域】
- 「地方出身の地域間移動経験者を取り巻く状況――福井県に生まれた若者を事例として」
- 「アフターコロナにおける図書館の役割」
【家族社会学領域】
- 「父親はどのようにイクメンになるのか――子育てパパブログのテキスト分析」
- 「若者の恋愛離れはなぜ起きているのか?――東洋大学生の調査から見る」
【環境社会学領域】
- 「フードバンクが与える影響――食品ロス削減と貧困問題において」
- 「木質バイオマスエネルギーを活用した地域振興の展望――東京都橧原村の取り組みを事例として」
【教育社会学領域】
- 「学力格差をなくすために学校ができることについて――結果の平等と機会の平等から学力格差を考える」
- 「子どもの貧困を招く要因と世代継承の克服」
【労働社会学領域】
- 「野球選手のキャリア展開に見るスポーツ選手のキャリア形成――ウィークタイズ理論は有効か」
- 「親が娘に与える影響と女性の進路選択――現状と親の認識のギャップがもたらすもの」
【国際社会学領域】
- 「開発途上国における女子の初等教育就学を妨げる影響要因に関する一考察――サブサハラ以南アフリカを対象とした計量分析」
- 「災害時の多文化共生に向けたコミュニティ防災の機能に関する考察――ソーシャル・キャピタルの働きに注目した災害事例分析」
【理論社会学領域】
- 「現代社会における正当化型自己責任論の批判的検討」
- 「情報化社会におけるプライバシー問題の理論社会学的考察」
【地理学領域】
- 「福島第一原子力発電所事故後の食の安全――千葉県君津市の例」
- 「なぜ小規模で隔絶性の高い離島において人口が増加しているのか――鹿児島県十島村宝島を事例として」
【犯罪社会学領域】
- 「『無敵の人』に対する危険意識はなぜ高まっているのか」
- 「外国人による犯罪行為の何が問題か?――文化葛藤からみる日本の法廷文化の検証」
【福祉社会学領域】
- 「性的オリエンテーションの多様性をめぐる共通理解構築の道筋――反LGBTQ+の視点から」
- 「組織レベルの同型化と個人――自己実現をめぐって」
学びのポイント
大学生活のスタートを上級生や教員がしっかりサポート
入学直後に行われる「新入生歓迎行事」では、社会学の学びや研究、学生生活について上級生が紹介。教員も参加し、大学生活のスムーズなスタートをサポートします。また新入生全員が参加するため、新入生同士の絆を築く機会ともなっています。
また本学科では、ゼミナール(ゼミ)が4年間一貫して行われます。少人数制の授業で、大学での学び方から社会学の専門的な学習・研究まで、丁寧なサポートを受けながら学びを深めることができます。
4年間の積み上げで、「社会調査」の実践力を獲得
東洋大学社会学科には、60年以上にわたって社会調査の授業を提供してきた歴史があります。本学科のカリキュラムは、4年次の卒業論文に向けて必要な知識や技術を効果的に着実に習得できるよう、特別な工夫がこらされています。
たとえば、カリキュラムの核である「社会調査」については、1年次に「社会調査入門」と「社会とデータ」を学んだ後、2年次には各自の関心に応じて「社会統計学」や「質的調査法」など、より高度な調査分析能力を獲得するための科目を選択することができます。そして2年次に身につけた方法論を実践する場として、3年次には「社会調査および実習」または「社会学ゼミナールⅢ」が用意されています。社会調査の実践に不可欠な、調査倫理や調査のマナーについても学んだうえで実践に臨みます。
調査データの精密な分析に不可欠な統計学の知識とスキルについても、社会学科必修の「社会とデータ」を導入として、「社会統計学」のI(基礎)、II(発展)を段階的に履修することにより、効果的に習得することができます。
4年次に取り組む卒業論文では、こうして習得した能力を生かすことが期待されています。また、必要な科目を履修することで「社会調査士」の資格を取得することも可能です。

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