社会学部

国際社会学科

多様性に学び、グローバルな共生社会を創造する。

多様性に学び、グローバルな共生社会を創造する。

グローバル化が深化した世界において、人びとの多様性を理解し、持続可能な国際社会の創出に貢献する人材が求められています。

教室での学びとともに「現場」で学ぶフィールドワークを重ねながら、多文化共生を実践的に担い、次世代の国際社会を率いる「地球市民(グローバル・シティズン)」となることを目指します。

学問の魅力

社会と世界で学び、グローバルな共生社会の創造につなげる

社会学・文化人類学・地域研究を基盤に、世界各地の民族・文化・宗教・ジェンダー・セクシュアリティ等の多様性について理解を深めます。同時に、関連分野の幅広い知識を学ぶとともに、国内外での研修やフィールドワークを通じて問題の現状に触れ、「実践の知」を身につけていきます。

学びのメソッド

現場体験型のグローバル・シティズンシップ教育*

1年次から、国内外での現場体験学習に取り組みます。社会学・文化人類学・地域研究に関する教室での学びと、学科教員の専門性を活かした独自プログラムでの経験を結びつける学びを展開。現代社会の多様性、多文化性、グローバルな関係性に対する気づきを得て、国際社会に関わる問題意識を培いながら「地球市民(グローバル・シティズン)」としての資質・態度を身につけます。

またNPO等との連携により、国際社会の諸問題の解決を実践的に学んでいくことができます。

*グローバル・シティズンシップ教育とは
ユネスコがSDGs(持続的開発目標)のもとで目指すグローバルな教育のあり方です。価値観や生き方の多様性を認めあい、批判的かつ建設的に現代社会の諸問題を理解し、その創造的な解決策を生みだして国際社会・日本社会に参画する資質・態度を養う教育を指しています。

「現場」に根ざした学びの展開

1年次には、国内外の現場でグローバル化の実例を学ぶ科目「国際社会体験演習」などに取り組みます。社会的課題についての基本的な知識と、多文化コミュニケーションの基礎力を養います。また「社会調査入門」で社会調査の基礎を学びます。

2年次には自らの興味や関心分野に応じて「国際社会プロジェクト演習」や「社会調査および実習」「国際社会論ゼミナールⅡ」の科目を選択。国内外での長期フィールドワークやインターンシップ、ボランティアを実践し、国際社会の課題に対する理解を深めます。また世界各地の協定校での留学も強く推奨されています。

3~4年次には、国際社会論ゼミナール専門ゼミで調査テーマを自ら設定してフィールドワークや文献調査を行い、調査報告書や卒業論文としてまとめ上げ、大学での学びの集大成とします。

演習科目

1年次から4年次までの必修科目としてゼミナールを履修します。1年次の「国際社会論ゼミナールI」ではアカデミックスキルを習得します。2年次には「国際社会論ゼミナールⅡ」「社会調査および実習」「国際社会プロジェクト演習I」から1つ選択し、調査研究の第一歩を踏み出します。3・4年次には「国際社会論ゼミナールⅢ・Ⅳ」を履修し、フィールドワークや文献調査を行い、卒業論文やゼミ論文としてまとめ上げ、大学での学びの集大成とします。

知の基盤となる専門講義科目

教室で行われる講義では、1年次と2年次に社会学と文化人類学の基礎講義を履修し、さらに「地域の多様性を知る」「人々の多様性と調和を考える」「現代社会の見方を学ぶ」の3つの科目群に分けられた専門講義科目で専門的な学びを展開します。世界各地の文化の多様性、現代世界の諸問題について学び、グローバル化の社会文化的な側面を理解します。

  • 地域の多様性を知る……社会文化論(南北アメリカ/アフリカ/アジア/中東など) 
  • 人々の多様性と調和を考える……移民論/環境と開発/セクシュアリティの社会学/ジェンダー文化論 など
  • 現代社会の見方を学ぶ……宗教社会学/文化社会学/グローバル化と現代社会/市民社会論 など

教育課程表・カリキュラムマップ

「教育課程表」には、本学科が設置している科目を掲載しています。「カリキュラムマップ」では各科目をテーマごとに分類し、それぞれの科目がどのように関わり、つながっているかを紹介しています。

卒業論文のテーマ例

  • 「在日中国人留学生の異文化適応に関する対人関係の考察」
  • 「ファシズムと⺠主主義が混交した時代を生きた84歳⼥性の人生観」―ライフヒストリーから紐解く試み―
  • 「⾸都圏の農村社会における伝統文化の受容・継承をめぐる葛藤」−千葉県⼭武郡芝⼭町を事例
  • 「Refugees and asylum seekers in Japan」
  • 「公教育が扱う宗教の現状と課題」―多文化共生における⾃他理解に向けた知識・文化教育―
  • 「中国系移⺠1.5世代の親子関係の国際社会学」−移住前の分離から移住後の再構築−
  • 「アセクシュアルのアイデンティティ構築における解釈的不正義」
  • 「Gender Role Transformation of Refugee Women in Japan: from Interviews with Kurdish Women in Japan」
  • 「二言語同時学習の効果と影響」―ドイツ語圏留学を事例として
  • 「日本社会におけるイスラム教育の多様性」 ―群馬県伊勢崎市の事例から

学びのポイント

1年次から始まる国際社会の現場体験演習

1年次の学生全員が約1週間の国内・海外実習「国際社会体験演習」に参加します。複数テーマが設けられ、少人数でグローバル化の現場を訪れ、自らの体験を通して学びを深めます。

国際社会体験演習 テーマ概要

  • あるく・みる・きく多民族国家シンガポール……訪問先:各民族の文化振興組織やシンガポール国立大学ほか
  • 地方生活圏のグローバル化:地縁ネットワークを生かして……訪問先:長野県飯田市・周辺の活動現場
  • フィリピン少数民族の工芸・民芸の活性化活動を体験する……フィリピン・バギオ市の少数民族アート交流団体
  • フェアトレード体験を通した自然と人の共生……訪問先:福島県いわき市のオーガニック農業とフェアトレードの実践団体
  • 外国人技能実習生と考える<日本のグローバル化>……訪問先:宮城県気仙沼市の水産加工工場や外国人支援のNPO団体
国際社会体験演習 取り組み紹介「あるく・みる・きく多民族国家シンガポール」

シンガポールの生きた多民族・多文化社会を現場で体験し、異なる民族が同じ国民として暮らすことの社会文化的意味について考えます。7日間の日程でシンガポールを訪れ、教育先進国としての側面や東南アジアの経済ハブとしての側面、また日本との歴史的関係についても体験的に理解を深めます。現地ではシンガポール大学・南洋理工大学等の学生との対話・交流会の場を設け、グローバルな学びに取り組む機会を得ます。

2・3年次 国際社会プロジェクト演習

1年次の「国際社会体験演習」などを通して生まれた問題意識を、2年次以降の「国際社会プロジェクト演習」で深め、さらには海外留学や長期インターンシップへとつなげていきます。それぞれのテーマ、プロジェクトに基づく3つのコースが設けられ、国内外での具体的な取り組みに挑戦します。

国際社会プロジェクト演習 コース概要

  • 国際理解コース……フィールドをつなぐ、問う、考える。インドネシア実習・国際商品(モノ)を通してグローバル化と私たちの生活について学ぶ。
  • キャリアコース……パプアニューギニア現地実習で学ぶ地球環境問題、オセアニアの文化と歴史。気候変動を含む地球環境問題ならびに異文化が持つ価値観の実際の様子について理解を深める。
インドネシア・スラウェシ島でのフィールド実習:エビ養殖池の視察
宮城県気仙沼での体験演習:滞日インドネシア人とともに多文化共生を考える

各取り組みについて、詳しくはプロジェクトウェブサイトで紹介しています。(https://sites.google.com/toyo.jp/soc/dgds/pbl

学びの集大成としての3・4年ゼミ

ゼミナールのテーマ

【社会学分野】

  • ダイバーシティ論ゼミナール
  • 移民の社会学―ジェンダー、家族、エスニシティ―(英語開講)
  • 宗教社会学を中心に社会調査や社会学理論について学び、卒業論文を作成する
  • 文化社会学
  • 国際社会学(Transnational / Global Sociology)

【文化人類学分野】

  • マイグレーション(移住)を考える
  • 文化人類学で異文化を理解する視点を学び、プレゼンスキルと論文を書く力を身につける
  • フィールドワークを通じて異文化を生きる人たちと出会い、エスノグラフィを描く
  • 驚きの人類学:エスノグラフィーを書く
  • マイノリティの人類学
  • 観光現象を切り口として現代社会の様態を捉える視点を養う

【地域研究分野】

  • ようこそ、「表象文化研究」の世界へ
  • 人が感じ、構想し、協働で創る地域社会 : 地域開発論の現場を歩く
  • 自分で東京周辺をフィールドワークして, 外国文化や異文化について考える

【プロジェクト型ゼミナール】

地域における多文化共生プロジェクト
外国人が増加してきた日本では、地域社会における「多文化共生」が重要な課題となっています。本コースでは、住民の高齢化が進む一方で、外国人住民が増えている東京都北区内の団地において、社会学の知見や調査手法を生かして地域の抱える課題を明らかにし、その課題を解決するプロジェクトを、地域住民と協力しながら立案・実施しています。授業を通して、学生たちは、多様性を尊重する多文化共生社会の実現に寄与できる実践的な能力を習得します。

英語で学ぶ科目も開講

1~4年次までの演習(ゼミナール)には英語コースも設置されています。英語コースで学ぶ学生は、英語で卒業論文やレポートを執筆します。また「Multiculturalism in a Globalizing World」など、一部講義科目の授業も英語で行われます。

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