生体医工学科

人々の「生きる」を支える、科学と工学。

生体信号処理研究室(鈴木裕 准教授)

生体が感じていること、生体からわかること

音色や食の評価はヒトを介してはじめて出力される感性評価です。本研究室では脳波や近赤外分光法(NIRS)をはじめ各種生体信号を計測し、それを解析することによって感性評価に至る新たな指標を作ります。それらの信号計測・解析のスペシャリストの育成とともに、今世紀に求められている人類のテーマに臨みます。

嚥下筋電図、嚥下音、超音波動画像による嚥下能力評価法の開発研究

誤嚥性肺炎は我々の直面している課題です。非侵襲計測にて嚥下能力を測るシステムの研究を行っています。嚥下筋電図、嚥下音、超音波動画像の同時計測によって嚥下機序の解明を統合して行います。

生体音の信号処理による病変スクリーニングシステムの開発

血流音や肺音や心音などによる聴診を機械に代替するシステムの開発を行います。病変によって音が変化するので、その変化を調べます。解析法からディープラーニング・深層学習等による機械学習を取り入れ、AIを活用できるIT人材を育成します。

音色の感性評価に関する研究

やわらかい音、かたい音と表現されるような感覚的な評価の定量化に向けた研究を行います。官能評価法や検定など感性評価の基礎を学ぶとともに音響信号処理を学ぶことができます。

咀嚼音の解析と感性評価に関する研究

ポテトチップスや天ぷら等、食を楽しむ上で「パリッ」や「サクッ」といった咀嚼音は大切な要素です。その感性評価と計測した咀嚼音の関係を調べる研究を行います。感性評価と音響信号処理の基礎を学ぶことができ、おいしいものがいっぱい食べられます。

ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)の基礎と応用

近赤外分光法(NIRS)、脳波等を利用したBMIの原理的実験、実システムの作製、訓練システムの研究を行います。

研究室入室希望者に望むこと

研究室では生体信号計測とその解析によって生体の状況を明らかにし、得られた知見を工学的・医学的に応用することを目標にしています。この目標に向けて実験・解析・理論のいずれかに重点をおいた研究を行い、これらのスペシャリストを育成します。実験、解析の基礎技術の実習、基礎的文献の講読を通して生体に関しての基礎を学びつつ実践的な応用展開を行っています。何よりも皆さんとの縁を大切にしております。