生体医工学科

人々の「生きる」を支える、科学と工学。

バイオエンジニアリング研究室(合田達郎 教授)

生物に倣い、新しいバイオ工学をつくる

「汗や涙で病気を検知するセンサ」「風邪やウイルス感染がわかるマスク」「傷口がすぐに塞がる絆創膏」「癌に効く低副作用の薬」「身体の一部ように動くロボット」等々。バイオエンジニアリングが叶えようとするのはこうした人々の願いです。こうした未来を実現する鍵は何でしょうか?
生体は、分子から個体まで広範で、階層性を有します。この「生体」と工学的につくられた「人工物」が接する際には、様々なスケールで必ず境界面が発生します。これを「バイオ界面」と呼びます。実は、バイオ界面を自在に操る者がバイオエンジニアリングを制します。しかし、それは容易ではありません。そこで、長い進化の歴史を通して獲得された生物の構造や仕組みをお手本にして工学に生かす「バイオミメティクス」が有効であると考えています。
本研究室では、こうした方法論と独自の発想で、バイオエンジニアリングの根幹にかかわるバイオ界面創製の研究を展開しています。具体的テーマ例は、以下の通りです。

  • スマートな高分子・ナノ材料の開発と医工学応用
  • 次世代ケミカル/バイオセンサーの開発
  • ウェアラブルバイオセンサーの開発
  • 人工知能とバイオセンシングの融合
  • 生体分子やイオンと対話するデバイスの開発
  • 生物と人工物をつなぐナノ界面の創製
  • 薬剤送達系を実現するキャリア分子の開発
  • 次世代細胞センシングの開発
  • オルガノイドのための界面創製

皆さんの希望に即したこれらのテーマに携わることができます。基本知識や技術は、研究室での学習や実験を通じて習得できるうえに、卒研を通して研究の進め方、課題の解決方法、論理的思考、コミュニケーション、プレゼンテーション、科学英語を学ぶことができます。

この研究室を希望する方へ

バイオエンジニアリング研究室は2020年度より開設された新しい研究室です。「若さ」はどんな大富豪でも買えませんよね。つまり、皆さんにはそれだけの価値があります。この若さのメリットを存分に享受して、何事にも囚われず失敗を恐れずに、課題にどんどんチャレンジし、毎日ワクワクしながら、楽しみながら、これまでにない全く新しいバイオエンジニアリングを創造していきませんか?そして、願わくは、本研究室で生まれた要素技術や新規材料が発展し、企業を通して社会に還元され、ひいては人々の幸福(生活の質の向上)に役立てればと思います。この壮大な目標を共有し、研究課題を強力に推進してくれる頼もしいパートナー、つまり君たちの存在が不可欠です。共に、明るい未来に向けた挑戦に取り組みましょう!