法学部

法律学科

論理的思考力と法的視点から身に付ける、問題解決能力。

論理的思考力と法的視点から身に付ける、問題解決能力。

法律学科では、社会の基盤となる法に関する知識、および、それを的確かつ柔軟に使いこなすためのリーガルマインドを修得し、社会で不断に生起する様々な法律問題について、自らの頭で考え、法をもって解決することのできる実践的能力を有する人材を養成することを目的としています。また、グローバル化する法律問題に対処するためには、国内法だけではなく外国法についての知識や比較法的観点からの法的思考が必要不可欠となっており、それらの習得も目的としています。

その上で、法律学科では、3つの履修モデル(以下、「モデル」という。)を提示し、モデルごとに以下のような高度職業人の育成を目的とします。

法律専門職モデルでは、いわゆる法曹(裁判官、検察官、弁護士)を目指して法科大学院へ進学する者や、法学研究科へ進学する者、司法書士・弁理士・税理士・社会保険労務士などの隣接法律専門職など、専門的職業人の育成を目的とします。

政治・政策モデルでは、国会議員、地方議会議員、議員秘書、国会職員など議会関係や、マスコミなどの民間企業、そして、NPO法人などを通じて社会貢献活動を行う者などの育成を目的とします。

公務員モデルでは、行政職もしくは公安職(警察官・消防官など)の国家公務員または地方公務員の育成を目的とします。

学問の魅力

社会を変えていく力の源になる

「社会あるところ法あり」といわれるように、人が社会を作り、その中で生きていくためにはルールが必要不可欠です。法はそのルールのひとつであり、「法を学ぶことは、すなわち、社会を学ぶことである」といえます。

グローバル化による多国籍化や、多様な価値観の交錯が生み出す摩擦、あるいはICTやAIの急速な進歩にともなう問題など、現代社会においては、これまでにみられなかったさまざまな問題も発生しています。法律学科では、「法的問題を解決する能力=リーガルマインド」を身につけることで、現代社会における問題を、多角的に分析し、法的にバランスの取れた解決策を導き、それを論理的に提示する能力を養います。

学びのメソッド

法律学科の人材の養成に関する目的を踏まえ、法律専門職モデル、政治・政策モデル、公務員モデル、いずれのモデルでも、グローバル社会に対応することのできる語学力、および、リーガルマインドを支えるための幅広い教養を身に付けることは必須であり、学生は、英語をはじめとした諸語学、そして、複数の全学基盤教育科目・全学共通教育科目の履修を求められます。

その上で、法律専門職モデルでは、独立した法律家として活躍するために、憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法のいわゆる基本六法を確実に理解し、様々な応用を可能とする土台を築き上げるべく、深く法律を学びます。

また、政治・政策モデルでは、社会においてどのような法律を作り、法律に基づく制度をどのように運用することが求められているのかということを自分の頭で考えることのできるよう、政治学、政治学原論、国際政治学、国際関係論、行政学、地方自治論など法政策の立案および実施に必要な科目を中心に学びます。

さらに、公務員モデルでは、法の支配に基づく行政の担い手となるために、憲法、民法、行政法など法律系科目に重点を置いた勉強をしつつ、公務員試験受験に備えるべく、課外講座も併用して、公務員試験に合格し、公務員として働くために必要な能力を身に付けます。

基本六法を中心に、さまざまな法分野を体系的に学ぶ

法は社会生活を広くカバーしており、法律学科で学ぶ分野もまた多岐にわたります。しかし、日本の法令の数は、すでに約7,500件と言われており、大学においてすべての法令について学ぶことは不可能です。

法律学科では、まず法学の基礎となる科目をしっかりと学び、そのうえで関心のある法分野について体系的に学ぶことができるようにカリキュラムを構成しています。そのために、最初は憲法・民法など「基本六法」の知識の習得を目指します。その過程で、法的なものの考え方を身につけ、また諸問題を冷静かつ客観的に分析し、論理的で説得力のある解決策を導く力を養います。

新しい社会を拓くために、着実に力がつくカリキュラム

1年次には「法学入門」で法学を学ぶための基礎知識をしっかりと身につけつつ、「憲法Ⅰ」「民法Ⅰ(総則)」「刑法Ⅰ(総論)」などの基本となる法律を学びます。また少人数で学ぶ「法学基礎演習」では担当教員のていねいな指導を受けながら、高校までの学習から大学での専門的学習・研究へとステップアップするために必要な学びを通じて、法学の最初の一歩を踏み出します。そして学部教員がオムニバス形式で行う特殊講義「専門科目への扉」では、法学部で扱われる多様な専門科目を概観し、各科目の魅力や研究のおもしろさに触れるとともに、自らの専門分野選択の参考にすることができます。

2年次以降は、より専門的な法分野を学んでいきます。法律専門科目はもちろん、さらに政治学や経済学など法学の隣接分野についても多彩な科目が設置され、自分自身の問題関心や進路に合わせて学びを広げていくことができます。

また2年生向けには「法学演習」「専門基礎演習」、3・4年生向けには「専門演習」というゼミナール科目が開講され、少人数制・テーマ別演習によってさらに専門的な学習に取り組むことができます。

「履修モデル」を参考に、興味と志向に応じた学びに取り組む

法律学科で習得する法的知識や法的思考力は、社会のさまざまな分野で必要とされています。法曹(裁判官・検察官・弁護士)、司法書士、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引士など法律関係の国家資格取得に直結することはもちろん、さまざまな業種・分野で活躍する基盤となる学びといえるでしょう。実際に、卒業生が活躍している場は多種多様です。

本学科では、希望する進路に合わせて科目を体系化した3つの「履修モデル」を設け、効率よく学んでいくためのガイドラインとしています。

3つの履修モデル

(1)法律専門職モデル、(2)政治・政策モデル、(3)公務員モデル、の3つの履修モデルを用意しています。それぞれの履修モデルが想定している進路は次の通りです。

  1. 法律専門職モデル…法曹になるための法科大学院への進学や法学研究科への進学、司法書士、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引士、裁判所職員等の公務員など
  2. 政治・政策モデル…衆議院・参議院・地方議会の議員・職員・秘書、NGO、NPO、マスコミ、政治学研究科・公共政策大学院への進学など
  3. 公務員モデル…中央官庁で働く国家公務員、県庁・市役所などで働く地方公務員、検察事務官、法務教官、消防官、警察官など

各履修モデルには、卒業後の進路で必要な全学基盤教育科目・全学共通科目と法学部独自の科目が配置されており、効率よく体系的に科目を選択し、学べる工夫がなされています。希望進路が変わった場合も、他の履修モデルに変更することが可能です。

教育課程表・カリキュラムマップ

「教育課程表」には、本学科が設置している科目を掲載しています。「カリキュラムマップ」では各科目をテーマごとに分類し、それぞれの科目がどのように関わり、つながっているかを紹介しています。

学びのポイント

諸外国の法制度を学び、グローバル化に対応

グローバル社会に対応できる能力を身につけるため、「英米法」「ドイツ法」「フランス法」「EU法」など、諸外国の法制度・運用を学ぶことができる授業が設置されています。また「国際法」「国際私法」「国際経済法」など、国境を生じて生じる法的問題を学ぶ授業も充実しています。

そのほか「Comparative Law」「International Law」「International Politics」「Peace Studies」「Japanese Copyright Law」一部の科目では英語で授業を行い、国家を超えて世界のレベルで法的問題に対応できる能力を養うことができます。

語学教育の充実

1年次には必修科目として、習熟度別クラスで英語を学びます。入学時の習熟度が低い場合でも、3年次以降の就職活動において求められるレベルに到達できるよう設計されています。

また同時に、習熟度の高い学生を対象に法学部独自のGLP(法学部グローバルリーダー育成プログラム)も用意されています。発展的な語学やキャリア教育により、法的素養と国際社会で活躍できる語学・キャリア力を兼ね備えた「グローバル人材」を目指す特別プログラムです。英語のネイティブスピーカー教員が担任(ファカルティアドバイザー)として、レベルの高い英語学習をサポートします。

また英語に加え、ドイツ語・フランス語・中国語の中から1言語を選択して学習します。

海外語学研修プログラム

長期休暇を活用し、海外提携大学での語学研修(セミナー)が行われています。

イギリス・ロンドン大学

夏季休暇中に、イギリス・ロンドン大学で英語音声学セミナーが実施されます。英語の発声について理解を深め、発音やリスニングの向上を目的とする2週間の集中コースです。

ロンドン大学内での講義・実習後は、本学法学部専任教員による補習が行われ、当日の授業について日本語で解説。翌日の授業の概要説明や、課題への取り組み方についてのアドバイスなど、学習効果を高める徹底的なサポートを受けることができます。

ドイツ・バイロイト大学

春季休暇中にドイツ語の語学研修として、ドイツ・バイロイト大学での語学セミナーが実施されています。滞在期間中は、ドイツ語の授業はもちろん、授業後にはセミナー・チューターとのサッカー観戦、博物館・美術館見学、オペラやバレエ鑑賞など、さまざまなプログラムが用意されています。全期間ホームステイを予定しており、ドイツの生活を直接体験することができます。

学びを活かし、つなげる取り組み

法学の学びの場は、教室だけではありません。本学部ではいくつかのイベントで発表や討論の機会を設け、学びの成果を活かす場としています。

ゼミ発表会

法学部は少人数教育を柱のひとつとし、その一環として全学年で行われる「ゼミ(ゼミナール)」を重視しています。教員の指導のもと少人数で行われる演習型の授業で、特定の分野について学習・研究し、報告・討論を重ねることで、専門分野についてより深く学ぶことができます。

こうしたゼミ活動の一環として、毎年「ゼミ発表会」が開催されています。有志ゼミが日頃のゼミ活動や発表の様子を紹介し、プレゼンテーションを競い合うイベントです。複数のゼミの発表が行われるため、各ゼミが専門とする分野に触れるとともに、上級学年で所属するゼミを選ぶ際の参考にすることができます。

法律討論会

毎年秋学期には、全学年の法学部生を対象にした「法学部長杯争奪法律討論会」が開催されています。

憲法・民法・刑法から年度毎に課題が出され、その課題について参加者が「立論」をして、聴講している学生からの質問に答えるという形式で行なわれます。

立論者と質問者の間で交わされる真剣かつ白熱した討論は、日頃の学習成果の現われです。広い会場で多くの学生の前で討論を経験することは、他の授業とは一味違う実践力を養う貴重な機会です。

模擬裁判

白山キャンパスの大学祭において、法学部専任教員の監修のもと、シナリオ作りから上演に至るまでを学生主体で取り組む「模擬裁判」を実施しています。

裁判官・検察官・弁護人はもちろん、被告人や証人、裁判員などの裁判に関わる登場人物を演じるのもすべて学生です。大学祭の来場者に広く傍聴してもらうように、身近に起こりそうな事件を題材にして、裁判員裁判の形式で行います。

そのほか、法学部生を中心にした法律系サークルでは勉強会や合宿が開かれ、学生同士で勉強を教え合い、切磋琢磨しています。多くの学生と知り合える場であり、共に勉強する仲間はもちろん、充実した学生生活を送る良い友人を作る場となっています。

無料法律相談部の活動

法学部の附置機関として、無料法律相談部があります。法学部で学んだ法律の知識を活かし、法律を用いた社会貢献を行うことをその目的・使命としています。主な活動としては、定期的に埼玉県朝霞市や茨城県常総市において、市民の方々に向けた法律相談(土地取引や遺産相続等に関する民法分野)を行っています。このサークルに所属する学生は、法学部の専任教員の指導のもと、日頃から学習会に参加し、相談内容に的確な判断が下せるように努力しています。

無料法律相談部は、関東学生法律相談部連合会に加盟し、年2回の定例会議として各大学の活動報告や合同学習会・模擬相談会等も実施しています。

入試イベントや過去問対策、出願登録まで、メンバー限定のお得な特典をゲットしよう!