総合政策学科

「社会の課題は、私の課題」

現代社会が直面する問題と課題について、自ら考え、問題を掘り下げ、それを解決するための政策と企画を描く。そして、行動し、他の人々とともに「より良い方向」へと社会を導いていく。社会における問題解決のための、実践的能力を身につけます。

学問の魅力

現実社会を変えていく能力

現代社会はさまざまな問題を抱えており、社会をより良い方向へと変えていくことが求められています。総合政策学とは、まさにその「現実社会をより良い方向へと変えていく能力」を習得する学問です。自分で考え、行動することを通じて、他の人々と一緒により良い社会を創り出す人財を育てます。

学び方

技能と意識

「現実社会を変えていく」ための技能と意識をバランス良く伸ばしていきます。どれほど高度な技能を習得しても、「現実社会を変えたい」という意識がない人には現実社会を変えることはできません。経済学を基礎として、現実社会を分析し、政策を設計・実践する技能を身につけると同時に、現実社会の問題を発見し、他者と協力し、世の中をより良くしたいという意識を強化していきます。そして、1~4年次まで全て必修のゼミナール(少人数授業)を通じて技能と意識を調和させた、具体的な政策の設計・実践を身につけます。

グローバル化への対応

英語力+異文化理解がグローバル化を進める

本学科のグローバル化への対応とは、「英語を話すこと」ではなく、国境を越え、文化、人種、民族を超え、相互にコミュニケーションができるようになることです。そしてお互いを理解し、同じ目的のために対等な立場で働こうという意思と能力を得ることだと考えます。
このためには、異文化を正しく理解するための体系的なカリキュラムと、異文化に積極的に飛び込むことを支援する各種取り組みが必要です。
そこで本学科では、海外の文化や政策を理解するための科目群を専門科目として体系化するとともに海外研修への参加にも単位を認定しています。さらに、海外留学や語学セミナーへの参加も推奨しています。

4年間の学び

カリキュラムの特徴

社会を変える力に結び付く五つの力―着眼力・分析力・知識力・提言力・異文化対応力―をバランスよく伸ばしていきます。そのために、1~2年生では多数の必修科目で基礎をがっちりと固め、3年生以降は自分の研究テーマを自由に決定し、自分の責任で掘り下げて検討していきます。
特に、統計分析能力の習得とリーダーシップ養成のためのカリキュラムを強化しました。つまり、主観的な主義・主張のぶつかり合いではなく、客観的なデータに基づいて議論を進める能力と、多くの人々とともに、協力しながら社会を変えていく能力を併せて身につけることができます。

卒業論文のテーマ例

  • 出版不況の実態について〜読書離れは本当に起こっているのか〜
  • 地域SNSと住民・行政恊働体制による安全なまちづくり〜防災力の高い地域コミュニティの形成〜
  • 比較文化の観点から見た・雇用システムと教育システム
  • 地震保険の必要性〜加入率向上に向けた制度改革〜
  • 著作権法改正が与える違法ダウンロードと音楽市場への影響
  • 容器包装リサイクル法の意義と今後の課題
  • ワーキングカップルの働きやすい日本の社会の仕組みを考える
  • 「婚活」事情の変遷

学びの取り組み

各科目が結びつき教育目標の達成を目指す

本学科では、「自分から問題を発見し、解決策・対応策を考え、行動できる人財」となることを最終目的として、問題意識の育成、考察方法の習得、そして考察の実践を、基礎レベルから応用レベルまで段階的に引き上げていくカリキュラムを用意しています。
本学科においては、各科目は単体で存在するのではなく、有機的に結びついて全体として教育効果を発揮するように設計されています。
そして、この学科は人を選びます。
設定された教育理念に共感し、覚悟を持って学びに取り組まないと、辛いことになるかもしれません。卒業に必要な124単位のうち、専門科目は84単位、その中で必修科目と選択必修科目は合わせて42単位(50%)になります。明確な目的地を目指してしっかり・がっちりと学ぶ、これが本学科最大の特徴です。

徹底的な基礎教育

本学科が世に送り出したいのは、批判家や評論家ではなく、複雑な現実社会において、自分から問題を発見し、解決策・対応策を考え、行動できる人財です。
このような人財となるためには、基礎固めが決定的に重要です。現実のことを知らなければ考えることはできませんし、一方で現実のことを知っているというだけでは、分析することも対応策を提示することもできません。これらの要素を同時にバランスよく備えている必要があります。
そこで、まず現実社会に関する知識や問題意識を身につけるため、1年次に「ゼミナールⅠ」と「情報リテラシィ」が配置されています。また、考察方法の基礎を学ぶ科目として、1年次には「経済学入門」、2年次には「ミクロ経済学」と「マクロ経済学」を用意しています。そして、これらの要素を全体的にとらえるために、1年次に「総合政策入門」を配置しています。これらはすべて必修科目です。もちろん、この他にも大切な基礎科目を設置しています。
ゼミナールⅠでは、現状分析および対応策を考えることを目的にディベート大会を開催しています。6つのゼミから2チームずつ代表チームが出場し、毎年異なるテーマについて討論します。判定は、本学で導入しているリアルタイムアンケートアプリ「レスポン」を利用して学生全員で行います。これらの科目群での学びを通じて、現実社会の中で考え・行動するための基盤を確立することができるのです。

リーダーシップを身につける

リーダーシップとは、自ら思考し、行動することを通じて、他者を統率しつつ組織・社会全体を望ましい方向へと動かす能力です。現代社会で最も求められている能力だといっていいでしょう。
リーダーシップを身につけるためには、リーダーシップに関わる理論や知識を理解したうえで、具体的な実践演習を積み重ねる必要があります。本学科では、「リーダーシップ論」を設置し、社会で活躍する人材に欠かせないリーダーシップを育てていきます。

統計分析能力の獲得

現実を理解するためにも、政策を立案するためにも、客観的なデータに基づいて考える能力、つまり統計分析能力が求められます。思いつきや直感で政策を検討することは許されません。
本学科では、統計学について入学時点ではまったく知らないという学生でも、卒業までに十分に活用できるところまで到達できるカリキュラムを用意しています。

活発なゼミ活動

本学科の教育の特色は多数ありますが、突きつめていくと在学4年間でのゼミナールの充実という点にたどり着きます。
ゼミナールとは、個々の教員ごとに少人数で運営されるクラス単位の授業です。ゼミナールでは各教員の専門や個性を生かした多種多様なテーマについて、深く・鋭く掘り下げて学びます。
ゼミ活動を通じて、「考える・行動する」能力を基礎から応用、さらには実践レベルへと引き上げていきます。例えば、環境、エネルギー、雇用、財政、社会福祉、地域開発、情報技術、産業発展、統計分析といったテーマのゼミナールが開講されています。
ゼミナールは他大学や他学部でも設置されています。しかし本学科では、ゼミナールの修得は必修になっている点に特徴があります。学生は全員いずれかのゼミナールに参加しなければならず、履修せずに卒業することはできません。このように、すべての学生が自分なりのテーマを見つけ、深く・鋭く学ぶことを徹底的にサポートする体制が整っています。