「血糖値」とは、血液に含まれるグルコース(ブドウ糖)の濃度のことです。一日の中で血糖値は変動していますが、血糖値が高い状態が続くと、動脈硬化や糖尿病など、様々な疾病を発症する危険が高まります。
私たちの体内では、血糖値が高くなるとインスリンが分泌されて血糖値を下げます。血液中から取り除かれたグルコースは、筋肉や肝臓の糖貯蔵量が十分な場合には、脂肪に変換されて体脂肪として貯蔵されていきます。つまり、インスリンが分泌される機会が多いと体脂肪が増えやすいということになります。
しかし、成長過程にある人や、毎日勉強やスポーツに取り組んでいる人は、摂取する糖質(炭水化物)を減らすことは避けなくてはなりません。糖質は適度に摂取しつつ、血糖値が急激に上昇しないように食事を摂るという工夫をすることで、肥満の予防・改善が可能になります。そのためには、糖質(ご飯)を摂る前に野菜やタンパク質を摂る、丼物などの単品料理を避けてバランスのよい食事を摂るといった食べ方をするとよいとされています。また、白飯と比べて血糖値が上昇しにくいと言われる蕎麦やパスタを主食に利用するなどの工夫をするのもよいでしょう。
血糖値をコントロールする仕組みを知ることは、糖尿病や肥満の予防につながります。正しい知識に基づいて生活をしていれば、健康的な人生を送ることができます。世の中に氾濫している健康に関する情報の中から正しい情報を選別する能力を身につけていきましょう。

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古川 覚教授健康スポーツ科学部 健康スポーツ科学科

  • 専門:生理学・運動生化学
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