「2040年問題」とは、経済・経営や雇用などの分野でいち早く注目された、わが国の将来の人口問題です。一方で、高齢者が増えれば、介護が必要な高齢者(要介護高齢者)も増加し、「高齢者介護」の課題も大きくなっていきます。人口の減少の問題と、要介護高齢者の増加の問題が同時並行的に起きるとき、何が問題となるのでしょうか。
2045年までの間に、総人口は2割近くの減少が、生産年齢人口は3割近くの減少が予測されています。それに対し、高齢者、特に85歳以上の人口は2倍近くに増加すると予測されています。厚生労働省や各自治体の推計によると、今後20年ほどの間に要介護高齢者は全国で約3割の増加が見込まれています。その頃には、現在の老人福祉制度や介護保険制度、医療保険制度は運営できなくなり、税金や保険料の負担を増やさざるをえなくなるかもしれません。
こうした課題に対して、高齢者介護や医療の人材確保のために、すでにさまざまな対策が進み、処遇や給与を改善させる政策が出されています。また、高齢者介護にICTや介護ロボットの導入を進める動きも見られます。さらには、高齢期になっても介護を必要とすることなく暮らすことができる「健康寿命」を延ばそうとする医療や介護の研究も進みつつあります。2040年問題は、日本が世界に先駆けて直面するとされ、世界各国がわが国の動向に注目しています。これらの問題の解決策を考え、高齢者の支え手となるための知識や技術を身につけることは、これからの時代を生きる人びとには不可欠だと言えるでしょう。

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高野 龍昭准教授福祉社会デザイン学部 社会福祉学科

  • 専門:高齢者福祉・介護
  • 掲載内容は、取材当時のものです