私たちがお風呂やトイレ、炊事洗濯などで毎日大量に使っている水は、なぜなくならないのでしょうか。そもそも、水はどこからやってくるのでしょうか。水は、そのほとんどが海にあり、地球上を循環しています。海の水はそのままでは塩分が強く、料理や農業に使うことはできませんが、蒸発することで水だけになります。蒸発した水は大気に蓄えられ、雨や雪となって降り、地下に浸透し、湧き水や河川、池の水となり、蓄えられて、そのうちにまた、海へ戻ります。降った雨がそのまま海に流れていく場合もあります。川などの水が浄水場できれいにされ、上水道を通って各家庭に届き、使用後は排水管を通って下水道へ流れ、下水処理場で再びきれいにされて川に流され、海に戻ります。このようにして私たちは家庭で水を使用することができるのです。また、生活に直接欠かせない生活用水の、日本人一人当たりの一日の使用量は285ℓですが、工業用水、農業用水すべて含めると一人平均1,700ℓを使用しており、生活を支えるためには多くの水が必要なことが分かります。毎日の生活の中で、水道の蛇口をひねったとき、この水は地球を大きく循環して旅をしてやってきた、そして、これからまた旅に出るのだな、と思い出してもらいたいものです。

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関 勝寿教授経営学部 会計ファイナンス学科

  • 専門:環境科学
  • 掲載内容は、取材当時のものです