古くから市場に参入し、全国に多くの店舗を構え、認知度も高い会社の広告は、テレビやラジオ、雑誌といった伝統的なメディアを多く利用しています。それに対し、ニッチ市場でのチャンスを狙って競争を挑む小さな会社にとっては、お金のかからないソーシャル・メディア・マーケティング(SMM)を利用することが重要です。サービスや商品の写真をFacebookやInstagramなどに投稿してもらい、お客様に広告塔になってブランドを宣伝してもらうという“ネット上の口コミ”が強みになるのです。この口コミを促進するためには、“信頼”を得なければなりません。そのためにも、お客様と良い関係ができているのかを、長期的に考えることが大切であり、“Call to action(行動をさせる刺激)”も必要となるでしょう。良い商品があるだけでは話題にはなりません。季節ごとの変化や新しさ、ユニークさなどが話題となります。例えば「どの商品が一番好きですか?」と投げかけて、お客様とかかわりを持ったり、動物園で、新しい動物の赤ちゃんに名前を付けてもらったりすることで、ただの消費者ではなく、ビジネスに関わるパートナーとして、長期にわたる関係を築くのです。そして、誰かが広めた経験を見たその友人が来店し、“Call to action”が生まれます。これらがうまく作用し合うことで、ネット上の口コミは成功するのです。

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クリストファー ウィーバー准教授経営学部 経営学科

  • 専門:教育統計学、試験論、CALL
  • 掲載内容は、取材当時のものです