制御工学とは、機械やロボットを自動で動かすために必要な学問です。数式などを用いて客観的、体系的にシステムの運動を解析し、「制御則(ルール)」を決定します。人は情報を受け取るために目や耳などの感覚器を使い、脳は受け取った情報から次の動きを決め、それに応じて筋肉が動きます。これを機械やロボットで行う場合、コントローラ(脳)がセンサ(感覚器)からの情報に応じて、どのようにモーター(筋肉)を動かすかというルールを組み込みます。それが制御則です。自転車の運転を例に、制御則について考えてみましょう。自転車の位置やハンドル操作を、式で表し、数値を設定し、それをグラフにします。すると、今いる位置から目標コースに近づいたり離れたりする様子が分かります。これを検証して出した、目標コースに収束する(限りなく近づく)条件を数式に当てはめると、理論的にも正しいことを保証することができます。
ロボットや機械が動くと楽しいものです。しかし「楽しい」だけで終わらせず、理論に基づいて制御則を考えて行くと、高い制御性能・効率的な制御系設計を行うことができるようになります。制御工学を勉強して、さまざまなものを自分の思い通りに制御してみましょう。

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山川 聡子教授理工学部 機械工学科 制御工学研究室

  • 専門:制御工学、ロボットや非線形系の制御、人の特性を考慮したシステム制御
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