人はなぜ働くのでしょうか。その問いに対し、学生からは「お金を稼ぐため」という答えがありました。では、なぜお金を稼ごうと思ったのでしょう。生活費、学費、家族を養うといった長期的な理由と、旅行資金や留学費用を稼ぐといった短期的な理由の2つのグループに分けられますが、今回は短期的な理由に着目してみます。
一時的にお金が必要となり、これまでのアルバイトからより時給の高いアルバイトに移って、必要なお金を稼ぎ終えたとします。ところが元に戻らずにそのアルバイトを続けるとしたら、お金が理由で始めた仕事を、お金以外の理由で続けているということになります。その理由として、学生たちは楽しさ、責任感、やりがい、自分が成長できる、などを挙げました。実際、これらは働き続ける理由になることが、学問的にも証明されています。お金は「働く」という決定を促すことはできますが、一生懸命働く理由にはならないのです。みなさんには、お金に左右されることなく、やりがいや創意工夫を持って、幸せに働くということについて、考えてもらいたいです。

pf_ito.jpg

藤田 英樹准教授経営学部 経営学科

  • 専門:経営組織論、ミクロ組織論
  • 掲載内容は、取材当時のものです