「ファイナンス」は、時間軸上において、稀少資源をいかに分配するかを研究する学問です。「時間軸上」とは過去、現在と将来の間のこと、稀少資源とは支配するお金や資産、つまり富を指します。
ファイナンスの意思決定に関わる経済主体としては家計、企業、政府があります。経済主体間の資金の流れとしては、企業は家計から資本提供を受けてビジネスをし、得た利益を家計に配当・利子として戻します。同時に、家計は企業に労働を提供、企業は労働対価として給料を支払います。政府には企業から税金、家計からは税金や国債の購入によって資金が流れます。政府はそれを使って年金、社会保障、国債利子元本を返済します。また、ファイナンスは富の創出を助けているほか、公的年金制度によって定年後の生活が保障されるなど、将来の不安の解消にも役立っています。
ファイナンスの目的とは、将来の富が最大になるよう資源の配分を行うこと、そして効率性の追求によって豊かな社会を創ることです。このような経済的利益のほか、環境保全、社会的責任の役割も担っているのです。

pf_don.jpg

董 晶輝(ドン ジンフイ)教授経営学部 会計ファイナンス学科

  • 専門:経営学、証券投資論

  • 掲載内容は、取材当時のものです