「お金を使う=物を買う」と考えがちですが、実はお金には、別の使い方もあります。
たとえば、刑務所を出所した人に対して勉強を教え技術を修得させ、長く続けられる仕事を見つける支援をする、そんなビジネスがあったとします。そのビジネスに投資できますか? そこに投資して何のメリットがあるのか、そう思うかもしれません。しかし、再犯率が下がり、治安がよくなるといった形で私たちに還元されるとしたらどうでしょう。これを「事業が実行されることで社会的価値がどれだけもたらされたのかを、貨幣価値に置き換えて示す社会的貢献度の大きさ」、つまり、ソーシャルインパクトと言います。
より豊かで安心できる社会にするためにお金を使うこともできるわけですから、金融とは「社会に役立つためのツール」なのです。お金の持つ本当の力について、より理解を深めていきましょう。

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川﨑 健太郎教授経営学部 会計ファイナンス学科

  • 専門:国際金融、国際通貨、国際マクロ経済学

  • 掲載内容は、取材当時のものです