「東洋大学重点研究推進プログラム」は、超スマート社会(Society5.0)の到来に向けて、地球レベルの課題解決に貢献するとともに、本学のブランドとなり得る独創的かつ先端的な研究プロジェクトを支援する、学内公募型の研究助成制度だ。「東洋大学重点研究戦略会議」メンバーとして、採択されたプロジェクトを審査する立場にある矢口悦子学長、川口英夫副学長、寺田信幸常務理事による特別鼎談を実施した。
READ MORE >2006年度に日本で初めて、公民連携を専門とする研究機関として設置された東洋大学PPP研究センターは、世界で7カ所あるPPP研究所の一つとして、『国際連合』からも正式に認証を受けて活動する組織だ。崩壊寸前の社会インフラを再生し、豊かな未来を作るために、同センターは2019年度より、「省インフラシミュレーションソフト」や「シリアスゲーム」、「経済性・社会性評価アプリケーション」を開発して実証実験を重ね、研究を進めている。
東洋大学国際共生社会研究センターでは、開発途上国の生活環境の改善や貧困の削減などに関するプロジェクトに取り組んできた。異分野融合やオープンイノベーションを取り入れて、活動を行うなか、2020年度からのコロナ禍において、研究にはどのような影響がもたらされたのか。今後も同センターではSDGsの達成目標年である2030年、さらには東洋大学創立150周年を迎える2037年をゴールに設定し、長期的な視野で研究開発を継続していく。
先行き不透明で混迷を深める時代において、人間と社会のあり方を根源から考察する哲学の役割はますます重要となっている。東洋大学国際哲学研究センターでは、22世紀の地球社会のとるべき進路を見出そうと、現代社会が抱える諸問題に応じた新しい時代の哲学の構築を目指して活動してきた。今後はさらに芸術や医療、工学といった分野との学際的交流を通じて、問題解決型、発信型の「世界哲学」を確立し、研究の成果を社会に還元していく。
東洋大学福祉社会開発研究センターでは、SDGsが目指す「誰も取り残さない」を実現し、つながりのある社会を築くことを目指し、社会福祉学を軸に社会科学、人文学や理工学など、分野の異なるさまざまな知見を取り入れた研究に取り組んでいる。開発しているICTやAIを活用した新たな支援システムの構築が実現すれば、誰もがその人らしく、幸福で豊かな生活を送ることのできる社会をつくり、新しい福祉の価値が創造される日はそう遠くはない。
文部科学省の「私立大学研究ブランディング事業」への採択をきっかけに、東洋大学生体医工学研究センターでは、「多階層的研究によるアスリートサポートから高齢者ヘルスサポート技術への展開」をテーマとする実証研究に取り組んできた。これまで、科学的根拠に基づいたサポートの実現に向けて行ってきた「アスリート研究」の研究成果や経験を、今後は高齢者をはじめとする一般の人々にも応用し、社会に貢献することを目指している。
近年、生物の持つ優れた構造や機能などを解明し、新たな技術を生み出す「バイオミメティクス」が世界的に注目されている。150万種存在するとされる真核生物のなかで、バイオミメティクスの参入はまだわずか8%未満だ。東洋大学生体医工学研究センターが2021年4月よりスタートさせたプロジェクトは、専門領域の異なる若い世代の研究者たちが連携し、バイオミメティクスを活用した高機能かつ持続可能なものづくりを目指している。
自然界には高温、高塩濃度、放射線、有機溶媒といった過酷な極限状態でも生育可能な微生物が存在する。新たな生物資源として注目される極限環境微生物を研究対象とし、その科学技術を社会実装して、SDGsへの貢献を目指す東洋大学バイオレジリエンス研究プログラムは、世界的にも類を見ない取り組みだ。極限環境微生物分野でのCOEを目指し、学内はじめ国内外の研究協力者とともに分野を越えたグローバルな研究を推進している。